口の中で淡雪のように溶けゆく和菓子とは

『雪ひとひら 江戸菓子舗照月堂』   篠綾子 (著) 時代小説文庫

あらすじ

温かい湯気にホッとする神無月。照月堂へ向かう途中、火事に遭った家屋を見たなつめ。自身も幼い頃、火事に遭ったのに、その時の記憶が全くない。行方不明の兄のことを知っていると思われる薬売りの親子は、約束の季節になっても照月堂を訪れることがなく、なつめは心配していたのだが…。

兄の状況を知ったなつめの心境は

十月六日、初の亥の日。人々は無病息災を願って亥の子餅を食べます。照月堂の主人・久兵衛も、主菓子として出せる亥の子餅を作り、好評を得ていました。一方、京都で修行中の安吉は、思いがけずなつめの兄の噂を耳に入れ、なつめに手紙でその内容を知らせます。驚くなつめですが、兄の気持ちを理解する自分に気づきます。それは恋をする気持ちを知ったから。そして、しばらくぶりに薬売りの息子、富吉がやってきたのですが…。

まとめ

口の中で淡雪のようにほどけていく落雁。幸せな時間もそんな風にはかない部分もあるのかもしれません。しかし、新しい幸せを、心がふくよかになる菓子づくりを目指してなつめは歩みを進めていくのです。

<こんな人におすすめ>

季節を感じる和菓子を生み出していく職人たちに興味がある
和菓子職人を目指す少女の悩みと成長を描く話を読みたい
篠綾子のファン

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