限界の村の民を襲う鬼の正体とは

『三鬼 三島屋変調百物語四之続』

宮部 みゆき (著)    角川文庫

あらすじ

叔父が営む三島屋で暮らし、黒白の間で人々が体験した怪異を聞くおちか。正しいことも過ちも、全て語り捨て、聞き捨てる決まりとなっている。夏の間だけ店じまいをする弁当屋の店主、寒村に潜む鬼の秘密を語る、山陰の小藩の元江戸家老。人々の不思議な語りを聞くおちかにも新たな出会いと別れが訪れる。三島屋シリーズ第四弾。

村人が恐る鬼の正体とは

絶品の花見弁当を出す弁当屋の主人、房五郎。人気のある店ですが、夏の間は店を閉めるのだと言います。その理由は「食客ひだる神」にあったのです。愛嬌のある房五郎とひだる神のやりとり、そして二人の関係にほっこりします。

また、元江戸家老・清左衛門が、ギリギリの生活で暮らす山村の検見役として出向いた時のこと。清左衛門は命を落としそうな家の前に立つ鬼を見つけます。その鬼の正体とは。生きていくためには仕方がないという後悔と絶望が鬼という形となって現れたのかもしれません。

まとめ

人の語りを受け止めるおちかも、ほのかな恋心や新たな出会いを経験し、闇に引き込まれない強さを少しずつ身につけているように感じる物語です。

<こんな人におすすめ>

人の業や悲しさなどを描いた時代小説を読んでみたい
「三島屋シリーズ」を読んでいる
宮部 みゆきのファン

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