喪われたあの頃の上に、俺たちはいる

『モーニング』  小路幸也(著)  実業之日本社文庫

あらすじ

親友の葬儀のために、二十数年ぶりに福岡に集まった四人の男たち。葬儀を終え、一人の男が「これから俺は自殺する」と言った。彼を思いとどまらせるべく、皆で東京へ向かうロングドライブが始まった。

思いもよらぬ言葉に衝撃を受ける仲間たち

レンタカーで空港へ向かう道すがら、俳優をしている淳平が「俺は一人で帰る。自殺する。」と言います。その理由を話そうとしない淳平に、「自殺の理由を俺たちが見つけ出せたら、思いとどまること」と約束を取り付けます。

そうして、亡くなった真吾、今回運転する淳平、ダイ、リョウ、ヒトシの五人が一つ屋根の下に暮らしていた当時を振り返りながら、東京までの道を目指すドライブが始まるのです。

まとめ

80年代、バンド活動、気楽な大学生活。同居している仲間たちとの馬鹿騒ぎ、友人の恋と苦悩。ドライブは、楽しかった思い出だけではなく、完治しきれないかさぶたをはがすような痛みも湧き上がらせます。

戻れない悲しみと抱えた傷が少しずつ明らかになっていく青春を回顧するミステリーです。

<こんな人におすすめ>

青春時代の熱さと傷を抱えた大人たちを描いた話を読みたい
ミステリー仕立てで過去を振り返る物語に興味がある
小路幸也のファン

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