人生と落語は深まるほどに味が出る

『こっちへお入り』 平 安寿子 (著) 祥伝社文庫

あらすじ

三十三歳、独身OLの江利は、ふとしたきっかけで始めた素人落語の世界にのめり込んでいく。落語を通して成長していく女性の物語。

仕事は中堅、使えない新人とクレームの担当。彼とは結婚するでもなく何となく続いているくされ縁。今ひとつパッとしない日常の中で素人落語と出会った江利。

まとめ

そのフレーズの面白さに心浮き立ち、プロの落語をCDで聞き、その表現の豊かさにときめく。表面的な面白さから、次第に噺の内容、噺家の解釈、表現へ目を向けていく江利。

不条理な展開に憤慨することもありますが、自身に起こったトラブルと重ね合わせて、そうせざるを得なかった心情を理解するのです。

人生経験を重ねるほど、落語の面白さも味が出て深みが出る。そんなことを教えてくれる物語です。

<こんな人におすすめ>

落語に興味がある
アラサー女性の成長物語が好き
平 安寿子のファン

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