少年の言葉に潜む真実とは

『死んでもいい』  櫛木 理宇 (著) ハヤカワ文庫JA

あらすじ

中学三年生の不良少年が何者かに刺殺された。彼にいじめられていた同級生・河石要は重要参考人として呼ばれる。自分は殺していない、としながらも「ぼくが殺しておけばよかった」という要の言葉の真意は。

札付きの不良、樋田の死の真実とは

誰から見てもタチの悪い不良、樋田真俊が刺殺死体となって発見されました。凶器のナイフは要がネットで購入したもので、樋田と要の指紋がついていました。要の当日のアリバイを証明してくれる人物もいません。

疑われていても妙に落ち着き払っている要に、刑事の木内は苛立ちを感じます。ところが樋田の恋人や異母兄が聴取のために呼ばれてから、事態は急変していき…。

まとめ

意外性のあるラスト、ズシリと重みのある読後の余韻。人間の闇を描く6つの短編集。どれも短編とは思えぬほどの密度と哀しみが感じられる物語です。読後には軽く虚脱してしまうような、読み応えのある一冊です。

<こんな人におすすめ>

事件の表面から窺い知れない人間の心理を描いた話を読みたい
ジワリとした恐怖に心を掴まれるような話が好き
櫛木 理宇のファン

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