文面からほとばしるアメリカの「リアル」

のこ

アメリカの犯罪小説って

読んだことある？

ぬこ

いや　ないけど

なんだかハードっぽいな。

のこ

こちらは現代のアメリカが

ぎゅっと詰まった犯罪小説よ。

ぬこ

犯罪から見えるアメリカの様子って

どんなものなんだろう。

『壊れた世界の者たちよ』　

ドン ウィンズロウ (著), 田口 俊樹 (翻訳) 　　　ハーパーBOOKS

あらすじ

ニューオーリンズ市警最強の麻薬犯を率いるジミー。ある麻薬組織から報復を受け、弟を殺され、復讐に挑む。猛り狂う姿を描く表題作をはじめ、警察や犯罪、そして市井の人々を描いた６編を収録。

弟を殺され復讐の鬼と化すジミー

チームワーク、腕っぷしなどどれを取っても申し分のない最強の麻薬犯を率いるジミー。ある麻薬取引に突入し、成果をあげたが、報復のために弟を殺されてしまいます。

復讐すべく立ち上がるジミーに、メンバーたちもついて行き、チームで敵のアジトへと乗り込んでいくのです。

表題作でもあるこの「壊れた世界の者たちよ」は、ジミーをはじめ、皆まさに「壊れて」います。暴力の押収に引いてしまう部分もありますが、話の底には悲しみの感情が漂っています。

弟が殺される原因を作ってしまった己の愚かさ、敵を痛めつけても弟の命は戻らない虚しさ。ジミーの壊れた心は行動となって現れるのでした。

まとめ

６つの中篇から成る犯罪小説集。正義とは何か、救うとはどんな事なのか。犯罪から現代アメリカのリアルが垣間見える、心が揺さぶられる物語。

＜こんな人におすすめ＞

アメリカの市井をリアルに描いた小説を読んでみたい
アメリカが抱える問題を犯罪の視点から描いた小説に興味がある
ドン ウィンズロウのファン

ぬこ

圧倒的なパワーと感情のうねりがすごい！

のこ

過去の作品の登場人物たちが

歳を重ねたうえで再登場したりと

昔からのファンにとってはたまらない

１冊になっているの。

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