こちらは国の中に独立国家がある
という「ソマリランド」を取材した
ルポルタージュよ。
国の中に国がある!?
なんとも不思議な状況だな。
そうね。周囲は紛争が続いて
いるのだけど、その独立国家は
武器を持たず、問題も話し合いで
解決されるの。
えーっ そんなことが可能なのか?
ますます謎だな…
『謎の独立国家ソマリランド』 高野秀行 (著) 集英社文庫
概要
崩壊国家と言われるソマリアの中で、奇跡的に平和を達成しているという、独立国家ソマリランド。何故、国の中に独立国家ができたのか。
紛争が続く周辺において、何故この国だけが平和を維持することができるのか。謎と危険をはらんだエリアに飛び込み取材をした、衝撃のルポルタージュ。
複雑極まるソマリのお国事情
国の中に、独立国家がある。周囲には銃を持った人間が街を歩いており、街中で銃撃戦も起こるというのに、このソマリランドでは誰も銃を持たず、問題が起こると話し合いによって解決されるという…。
これだけ話を聞くとにわかには信じられませんよね。著者もそうした思いから、1度目は相棒を伴い、2度目は単身、ソマリランドへと向かいます。
旧ソマリランドは「民主主義国家」のソマリランド、「海賊国家」のプントランド、「リアル北斗の拳」(いくつかの武装勢力が争っている)の南部ソマリアの3つのエリアに分かれます。
基本的には氏族間の戦いとなっており、それも、もともとの力関係や、現在のエリアでの利権などが複雑に絡んでいるのですが、各氏族を日本の武将になぞらえて、わかりやすく解説しています。
まとめ
民族性や考え方など、予想もつかない状況の中からの根拠ある推測と裏付けは、現地にとことん入り込んだゆえの成果でしょう。命の危険ととなりあいながらも、時に笑いを交えつつ、複雑な紛争事情をわかりやすく伝えてくれるルポルタージュです。
<こんな人におすすめ>
紛争国家の中に平和な独立国があることに興味がある
ソマリランドの紛争の詳細や人々の暮らしぶりに興味がある
高野秀行のファン
素晴らしい!!こんな複雑な
事情をこんなにもわかりやすく
解説してくれるなんて!!
緊張感のある現場だけれど
ユーモアを交えながら、そして
彼らの熱気や人間性などが
よく伝わってくるルポルタージュね。
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