こちらは定年を迎えた男性が
地下鉄の駅で倒れ、その心が
様々な時代や場所へでかけていく
お話よ。
定年まで勤めあげたのかあ。
これから第二の人生が
始まるという時に…
家族から見た男性、
そして男性自身の思いや
過去のことなどが情感たっぷりに
描かれているの。
「人に歴史あり」だよな。
彼の人生をのぞいてみよう。
『おもかげ』 浅田 次郎 (著) 講談社文庫
あらすじ
定年を迎えた竹脇正一は、送別会の帰りに地下鉄で倒れ、意識を失った。昏睡状態の中、竹脇の心は病院の外へとさまよい出す。地下鉄に乗って、様々な時代の、様々な場所へ。
そして傍らには、年上の女性や、隣のベッドで寝ている男性がいることもあった。これらの景色や彼らとの邂逅の先に行きつく場所とは。
地下鉄で倒れ、意識不明の竹脇のもとに、妻や娘の夫、会社の同僚などが訪れ、竹脇との出会いや、ともにすごしてきた時間に思いをめぐらせます。
一方竹脇は、あるときは上品な老婦人とともにディナーを楽しんだり、隣のベッドで同じように眠り続ける老人に誘われ、銭湯に行ったり、屋台のおでんを楽しみます。
家族にも恵まれ、充分な人生だと思う一方で、親を知らぬ自分や、幼くして喪った息子のことが、棘のように刺さり続けている痛みを感じています。
そして、彼が地下鉄の中で見た光景とは。
まとめ
周囲の人間や、本人が過去を思うシーンから、竹脇という人間の姿が実体を持って作り上げられていきます。
親に捨てられ、自分は子を愛せないのでは、という不安を乗り越え、多くの人からの愛を受けていること、その人生の深みと喜びに感動の涙が溢れる物語。
<こんな人におすすめ>
人生を回顧する、愛と奇跡の物語を読んでみたい
親子の深い情愛を描く物語が好き
浅田 次郎のファン
うおお〜〜〜
感動が波のように押し寄せて
くるぜえええ〜(இдஇ; )
地下鉄とともに歩んだ人生。
その深さと喜びに胸が熱くなる
物語ね。
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