こちらはある誘拐事件を担当することになった
ヒラ刑事のお話よ。犯人の要求が奇妙な
内容だったの。
誘拐事件と言えば
要求されるのはお金じゃないの?
ある女性評論家に対して
「自分の考えは間違っていた」
とコメントする動画を作り、
Youtubeにアップしろという内容なの。
その評論家を困らせるのが目的なのか?
誘拐された女子高生との関係は??
気になるな!!
『ワルキューレ 巡査長 真行寺弘道』 榎本憲男 (著) 中公文庫
あらすじ
五十代にして平刑事の真行寺弘道はある誘拐事件を捜査することに。
拐われたのはモデル事務所に所属していた十七歳の麻倉瞳。
犯人の要求は金品ではなく、同居している評論家デボラ・ヨハンソンに対するものだった。
その驚きの内容とは。そして瞳を誘拐した犯人とその目的とは何なのか。
瞳の母親と接触した真行寺は、同居するデボラと瞳は耳が聞こえない事実に不審な点を感じ、瞳の出生について調べはじめます。
そこで、瞳の母は人口受精で瞳を妊娠・出産したことを突き止めます。
犯人の要求は、フェミニストであるデボラに対し「自分の考えがすべて間違っていた」というコメントの動画を作成し、YouTubeにアップするということでした。
アップされた後、瞳は無事に発見され、真行寺は彼女に誘拐された時の様子を聞くのですが…。
まとめ
ジェンダーの多様性への認識が広まってきた昨今。しかし本作はもう一歩先の「女しかできない役割」を破壊できるのか、というところへ踏み込んでいきます。
命の「価値」を肯定するのか、否定するのか。本作品は私たちにも問題を投げかけてくるのです。
<こんな人におすすめ>
性とは、命とは何なのかを描いた話を読んでみたい
「巡査長 真行寺弘道」シリーズのファン
榎本憲男のファン
うわあ〜
恐ろしいことを考えるな…( ̄□ ̄;)!!
命、性別、命の尊厳。
あらゆる要素が入った深い余韻を
残す社会派ミステリーよ。
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