のこ
こちらは震災で亡くなった
友人を思い続ける女性のお話よ。
ぬこ
友人を亡くしたのか。
自分の一部が欠けたような
感覚かもしれないな。
のこ
友人の彼から形見分けを提案されて
反感を覚えたり、友人の存在が
薄れていくように感じることを
恐れてもいるようね。
ぬこ
せつない話だなあ。
亡くなった友人をどのように
自分の中に存在させるのかな。
『やがて海へと届く』 彩瀬 まる (著) 講談社文庫
あらすじ
真奈の親友であるすみれは、ひとり旅に出かけた先で震災に遭い、消息を絶った。
三年がたち、すみれの恋人、遠野から「形見分けをしたい」と切り出され、反感を覚える真奈。
何故忘れようとしなくてはならないのか。
自分だけは彼女とつながっていたいと思う真奈だったが。
大学時代からの親友、すみれが消息を絶ってから三年。
彼女と過ごした時間を思いながら日々を送る真奈。
ある日、真奈が勤めるダイニングバーの店長が自殺したことを知らされ、ショックを受けます。
一方で、夢かどうかも定かではない、「生と死」をイメージさせるような情景が同時に進行し、真奈の現実世界とともに少しずつ変化していきます。
まとめ
現実を生きる痛みと喜び。死を痛む痛みの中に潜む、留まりたくなるような甘さ。
「死」とはとても遠くにあるようですが、近くに、そばにあって、やがて誰もが到達する場所であることを感じさせる物語です。
<こんな人におすすめ>
生と死のはざまを描く物語を読みたい
身近な人物の死を乗り越えていく話に興味がある
彩瀬 まるのファン
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制作動画はこちらからどうぞ。
ぬこ
「死」は悲しくもあり
どこか甘いものを含んでいるんだな。
のこ
生と死のはざまを美しい
イメージで描く物語よ。
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