何物でもない自分にヒリつく痛みを感じる季節を描く

のこ
のこ

こちらは17歳の女子高生の

揺らぎや痛みを鮮烈に描く

物語よ。

ぬこ
ぬこ

女子高生か。複雑な思いを

抱えていたりするんだろうなあ。

のこ
のこ

女性という性に喜びを

感じることはなく、そこに

苛立ちを覚えているの。

ぬこ
ぬこ

そうかあ。自分の中で

葛藤や焦りを感じたりするのかな。

『僕はかぐや姫/至高聖所』 松村 栄子 (著) ポプラ文庫

あらすじ

進学校の女子高で、自らを「僕」と称する文芸部員たち。17歳の魂のゆらぎを鮮烈に描き出す。

17歳という至福の時を謳歌したい。

そう主張する裕生は自分を「僕」と述べる文芸部の部長。

私立の女子高生ゆえ、大きく道理から外れることはないけれど、内面には否定的な言葉が満ちています。

そのくせ他人を非難できるほどではないという謙虚さも持ち合わせているのです。

まとめ

女性という性に寄り添えるほどの自身も喜びもなく、そんな自分に苛立ちを覚える裕生。

素直な女らしさがまぶしくうつる同級生。

裕生の劣等感をあぶり出し、せせら笑うかのような男子校の生徒。

裕生にふられた元彼。

様々な人との関わりと、日常の出来事から、裕生が「僕」を手放し、「私」を手に入れるまでを描きます。

言葉にできない17歳の焦燥感や痛みがつぶさに描かれた物語です。

<こんな人におすすめ>

十七歳という時期を繊細に描いた物語を読みたい
少女たちの揺れ動く心情を描いた話に興味がある
松村 栄子のファン

ぬこ
ぬこ

複雑な、成長途中の心を

見事に描いているな!

のこ
のこ

「僕」を手放し「私」を手に入れる、

大人への道を一歩進めた女の子の

物語ね。

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