2021-04

イラストブックレビュー

気骨のある老人たちの推理合戦は正義のぶつかり合い

『静おばあちゃんと要介護探偵 』中山 七里 (著)のイラストブックレビューです。日本で20番目の女性裁判官の高遠寺静は今年八十歳。ある日、公演で名古屋に訪れた静。公演終了後、パーティー会場庭のモニュメントが爆発。台座の中から男性の死体が発見される。地元の名士であり、車椅子の七十歳の老人、香月玄太郎とともに事件の謎に挑む。
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本の向こうに連れて行かれないようご注意を

『奇譚を売る店』芦辺 拓 (著)のイラストブックレビューです。「また買ってしまった」。古書店を見かけるとつい中に入っては本を手にしてしまう「私」。その古書との出会いによって「私」は奇妙な世界へと導かれていく。幻想怪奇な魅力に満ちた全六編の連作短編集。
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やがてやってくる「老い」をどう生きるか

『すぐ死ぬんだから』 内館 牧子 (著)のイラストブックレビューです。78歳のハナは、身の回りに気を使い、見た目は60代、夫にも「自慢の妻」と言われ、概ね満足な老後を送っている。ある日夫が倒れたことから思いがけない事実が明らかになる。
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悪意と不満が膨張し、破裂寸前のパリの人々を描く

『パリ警察1768』真梨幸子 (著)のイラストブックレビューです 。1768年のパリ。革命が起こる前、悪名高き佐渡公爵が若い女性を陵辱する事件が発生。サドの監視役であるパリ警察のマレーは、その醜聞を揉み消すよう命じられる。一方、セーヌ川で女性の惨殺死体が発見される。
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便利って何?人間らしさって?AI時代の生き方を問う

『ままならないから私とあなた』 朝井 リョウ (著) のイラストブックレビューです。数学が得意で、とことん合理的に生き、無駄なことは切り捨てていく薫。ピアノが好きで、説明できない感情や無駄と思われることにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。ふたりの友情と成長、価値観のぶつかりを描く。
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いやはや、こんな殺し方を思いつくものだな・・・

『連続殺人鬼カエル男ふたたび』 中山 七里 (著)のイラストブックレビューです。世間を恐怖のどん底に陥れた飯能の「カエル男連続猟奇殺人事件」。十ヶ月後、事件を担当した精神科医・御前崎教授の自宅が爆破され、その場所から粉砕された死体と、カエル男の犯行声明文が発見された。
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「あずかりやさん」はお客さんの人生の一部も預かるのです

『あずかりやさん 彼女の青い鳥』大山 淳子 (著)のイラストブックレビューです。藍色に白抜き文字で「さとう」と書かれたのれんがかかる「あずかりや」。この店では目の見えぬ店長が1日百円でなんでも預かります。
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AIが活躍する世の中でどのように働くか

『5分でわかる10年後の自分 2030年のハローワーク』図子 慧 (著)のイラストブックレビューです。人間の仕事がAIに奪われるというのは本当だろうか?中学生のミーンさんと4人の仲間たちは、ある研究所が実施する「未来のハローワークVR体験ツアー」に参加し、将来の仕事や働き方を体験することに。
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人生一美味いビールが深く、深く沁みていく

『六畳間のピアノマン』 安藤 祐介 (著) のイラストブックレビューです 。ブラック企業に入社した大友、夏野、村沢。休みなく働いてきた三人は、ある夜、居酒屋で「人生一美味いビール」を飲む。人間らしさを取り戻したかのように思えた三人だったが、翌日から上司である上河内の締め付けが、さらにひどくなっていく。
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音楽によって人は世界を共有できる

『蜜蜂と遠雷(下)』恩田 陸 (著)のイラストブックレビューです。芳ヶ江ピアノコンクール2次予選課題曲である「春と修羅」をどのように弾くかが3次審査へ進めるか否かの分かれ道となる。続く3次予選、本線を勝ち抜き、優勝を手にするのは誰なのか。