大人になれない親と、その子供に訪れる悲劇

のこ
のこ

こちらは幼児置き去り餓死事件に

関連する三人の女性の姿を描く

物語よ。

ぬこ
ぬこ

ひどい話だな。

親もきっとろくでもないんだろ。

のこ
のこ

女性たちはそれぞれに不穏な

ものを抱えているわ。その問題が

少しずつ明らかになっていき

餓死事件の真相にたどりつくの。

ぬこ
ぬこ

そんなことが起こってしまうのは

どんな背景があったんだろう。

気になるな。

『ウェンディのあやまち』 美輪 和音 (著) 光文社文庫

あらすじ

埼玉県のアパートで男児の餓死死体が発見された。

姉とともに1ヶ月以上自宅に置き去りにされていたという。

姉は入院、母親は行方不明となっている。

馴れぬキャバクラで働く千里は、子供がいることを隠し、若い男と付き合い始める。

一方、結婚を前提にマンションを購入し、同棲する杏奈は犬や猫、鳥などの身寄りのない動物を引き取ってはマンションの一室で飼っている。

そして、自分の身体を痛めつけるかのように黙々と働くラブホテル清掃員の百目鬼。

三人の女性をつなぐ幼児餓死事件の真相とは。

幼児置き去り、餓死事件を下敷きに三人の女性の姿が描かれます。

愛情深く、恋愛体質の千里。

飼育キャパを超えてもペットを飼おうとする「アニマルホーダー」の疑いを持つ杏奈、何やら記者に終われる過去を持つ様子の百目鬼。

それぞれが、心の中に危うい「何か」を抱えています。

やがて千里は男と同棲を始め、杏奈はあるきっかけから女優業を開始、記者から逃れた百目鬼は逃走に協力してくれた大学生、乾の過去を知り、驚きます。

まとめ

登場人物の最初の印象がことごとく裏切られ、一体誰が何をしたのか。

どうなっていくのか予想もつきません。

置き去りをする親と、されることで心に深い傷を負った子供が成長した時。

子は親の「大人になれない部分」を見、そしてそれはどうにならないことを知るのです。

「親」というものが子どもにとってどんな存在であるべきなのかを考えさせられる物語です。

<こんな人におすすめ>

幼児置き去りはどのように起こったのかを知りたい
置き去りにされた子供がその後どのように生きているかを描いた物語を読みたい
美輪 和音のファン

ぬこ
ぬこ

そうきたか…

なんか殴られたようなショックがΣ(゚口゚;

のこ
のこ

1人の大人の想像力と行動力の欠如が

不幸の連鎖を生み出していくのね。

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