人と自分の業・運命を「聞く」ことで受け入れる

のこ
のこ

こちらは叔父風のもとに身を寄せている

17歳のおちかが、訪れた客の話を

聞いていく、というお話よ。

ぬこ
ぬこ

お客さんはどんな話を

するんだ?

のこ
のこ

人がいなくなっていく屋敷や

使ってはいけない手鏡など、

不思議な話ね。

ぬこ
ぬこ

うお ちょっと怖い感じもする(;゚Д゚)

でもなぜそんなことが起こったのか

気になるな。

『おそろし 三島屋変調百物語事始』 宮部 みゆき (著) 角川文庫

あらすじ

17歳のおちかは、江戸で袋物屋を営む叔父夫婦のもとに身を寄せていた。ある事情から他人に心を開かず、生家にも戻れないおちかに、叔父の伊兵衛は客の対応をまかせることに。

訪れた客の話に、おちかはいつの間にか引き込まれ、凍ったおちかの心は少しずつ溶けていく。

客人は通された部屋から見える曼珠沙華の花を見て、具合が悪くなります。

あの花が怖い、という客人はおちかに歳の離れた兄の話をはじめたのです…。

まとめ

突然に咲いた曼珠沙華の花、人がいなくなっていく屋敷、使ってはいけない手鏡、そしておちかに起こった出来事。

怪談の要素を持ちながらも、そこにあるのは愛憎や、自分ではどうすることもできなかった事への公開や悲しみ、自責の念などです。

人々の話を聞くことで、おちかは自身のそうした思いにも折り合いをつけていくのです。

人々の「生き様」に思いを寄せ、深い余韻を残す物語です。

<こんな人におすすめ>

江戸の不思議で怖い話に興味がある
人の業を描いた、心に響くような話を読みたい
宮部 みゆきのファン

ぬこ
ぬこ

怖いんだけど人間の業とか

後悔とか、いろいろ心の

深いところに刺さってくるな…。

のこ
のこ

読後、深い余韻を残す

物語ね。

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