のこ
こちらはお客の奇妙な体験を
聞くという『三島屋』シリーズ
第三弾よ。
ぬこ
今回はどんな話?
のこ
ある人物の前でだけ
泣き止まない童子などね。
ぬこ
へえ〜。そりゃいかにも
なにか理由が隠されていそうだな。
気になるぜ。
『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』
宮部 みゆき (著) 角川文庫
あらすじ
神田三島町の袋物屋三島屋に、おちかがやってきてから一年が過ぎた。
2度目の冬を迎えるおちかのもとに、胸に何かを抱えた者たちが話を聞いてもらおうとたずねてくる。
ちか自身の心の傷も少しずつ癒えてきた頃、ある日具合の悪そうな男が三島屋を訪れる。男がちかに聞いてもらいたいというのは、ある人物の前でだけ泣き止まない童子の話だった。
三島屋シリーズ第三弾。
骸骨のようにやせた、具合の悪そうな男が語ったのはある童子の話です。
ある男の前でだけ泣いていたのですが、その男は押し込み強盗の一味で、別の場所にいた童子を除く一家全員が殺されたのです。
差配人をしていた男は童子を引き取りますが、今度は差配人の娘を見て泣き出すようになります。
ある日童子は階段から転がり、命を落とします。そして階段の上には娘の姿が…。
まとめ
罪を犯した意識はいつまでも胸に残り、見えないはずの何かを、人に見せるのかもしれません。
そうした人の愚かさや悲しさ、そしていとしさを感じさせてくれる物語です。
<こんな人におすすめ>
人間の業を描いた怪奇話を読んでみたい
三島屋シリーズ1、2を読んだ
宮部 みゆきのファン
リンク
制作動画はこちらからどうぞ。
ぬこ
「人の業」ってやつを
感じさせるよな…。
のこ
罪の意識というものは
心にひっかかって
奇妙なものを見せるものなのかも
しれないわね。
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