自分の生きる世界が崩壊していくとき人は何を思うのか

のこ
のこ

こちらはある孤島で実施される

秘祭をめぐり、それぞれの人生が

変わってしまった男女を描く物語よ。

ぬこ
ぬこ

秘祭?それはいったい

どんなものなんだ?

のこ
のこ

島の伝説になぞらえたものよ。

選ばれたメンバーだけが集まり

執り行うものなの。

ぬこ
ぬこ

それが人生変えちゃう?

なんだかすごそうだな。

『変半身』村田沙耶香 (著)ちくま文庫

あらすじ

若者が贄として捧げられる孤島の秘祭「モドリ」。

十四歳になった陸は今年の祭りから参加するが、そのことに不安とあきらめを感じていた。

同級生の花蓮は島の祭りや島に住む大人たちへの嫌悪をあらわにし、高校から島を出る、と言っている。

そして陸は、今年の贄が密かに思いを寄せていた同級生、高城くんであることを知る。

島で行われる秘祭とは

島には昔、ポーポー様という神様がいた、という伝説があります。

中学生の少女、陸は幼い頃からこの話を大人たちから何度も聞かされ、神様は宇宙人だったのでは、などと空想を膨らませていました。

島で毎年行われるポーポー祭りの三日目「戻り」は秘祭であり、その内容は島外はもちろん、党内でも口にしてはならないのです。

今年から祭りに参加することになった陸は「モドリ」である高城くんに、祭りの進行どおりの行為を行います。

その時、外の人間がいる!という声が上がり、人々は一斉にそちらへ向かいます。

花蓮に声をかけられ、高城くんとともに三人で祭りの場を脱出するのですが、その後三人は衝撃的な事実を知ることになります。

まとめ

長年にわたり刷り込まれてきたことが、真実でないと知った時、人は足元が崩れ落ちるような不安を覚えるのではないでしょうか。

案外、私たちが真実や常識だと思っていることは、誰かが作り出した世界を信じるよう刷り込まれているだけのことで、作り手が変われば世界も容易にそのあり方を変えてしまうものなのかもしれません。

<こんな人におすすめ>

島で行われる秘祭やそれによって少年少女がどんな影響を受けたかを描いた話に興味がある
男女を超えた性に対する価値観・概念・事象に苦悩する物語を読んでみたい
村田沙耶香のファン

ぬこ
ぬこ

ひどい!そしてエグい!!

さすがの村田沙耶香ワールド…!(꒪ꇴ꒪〣)

のこ
のこ

今ある世の中の常識は

何かのタイミングでガラッと変わって

しまうものなのかも、と思ってしまうわね。

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