こちらは高校生の男女が
日常に起こる謎を解く
連作ミステリーよ。
高校生かあ。青春だなあ。
例えばどんな謎が起こるんだ?
始発の電車に乗り合わせた
高校生の男女が、互いに
この電車に乗った理由を推理するの。
なるほどねえ。
互いを良く知っている間柄では
ないとしたら、それは「推理」しないと
わからないよな。謎は解けるのかな?
『早朝始発の殺風景』 青崎有吾 (著)集英社文庫
あらすじ
平日始発の、ガラガラの電車で遭遇したのは、普段あまり話すことのないクラスメイトの女の子だった。
何とはなしに会話をしていた二人は、やがて互いがこの早朝に電車に乗っている理由について探りはじめる(「早朝始発の殺風景」)。
高校の卒業式の日、風邪で休んだクラスメイトの家へ卒業証書とアルバムを渡しにきたクラス委員。
シンプルな部屋は飾り気がなく、思ったことをハッキリ口に出す彼女らしい、と感じた委員長だがどこかしら違和感を覚える(「三月四日、午後二時半の密室」)。
不器用な高校生たちが日常に起こる謎を介して、その関係や距離が少しずつ変化していく青春連作ミステリー。
始発電車に乗ってきた理由とは?
映研の部長、加藤木は始発の電車でクラスメイトの女子、殺風景と遭遇。
あまり話したことがなく、気まずさを感じながらも彼女の近くに座ります。
殺風景は加藤木がこの電車に乗っている理由について推理を働かせ、加藤木も同じく殺風景の早起きの理由を当ててみようと互いにスマホを交換。
そこにある情報から互いが導き出した「始発電車に乗る理由」とは(「早朝始発の殺風景」)。
クラス委員の草間は、卒業式を休んだ煤木戸のために卒業証書とアルバムを届けに行きます。
彼女らしいけど何だか違和感のある部屋。
煤木戸は本当に風邪をひいているのか(「三月四日、午後二時半の密室」)。
まとめ
ほとんど話したことのない相手と、ささいなきっかけで距離が近づいていく。
そんなちょっと照れくさいようなムズムズする嬉しさを感じるような、「青春」がつまった連作ミステリーです。
<こんな人におすすめ>
高校生活の中で日常に起こる謎を解くミステリに興味がある
青春ならではの切なさや苦しみ、そして成長を描いた話を読んでみたい
青崎有吾のファン
WOWOWオリジナルドラマ化決定!どんな演出になるのでしょうか。
楽しみですね。
謎と真実の具合が青春していて
いいな!!その後彼らの関係が
どうなったかを描いているところが
またいい!!
どれも意表をつく真実ばかり。
彼らのことが好きになってしまうような
心地よい青春ミステリーね。
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