こちらはハワイ島の小さなホテルで
宿泊者が亡くなる事件の
真相を探ろうとするミステリーよ。
ハワイ島かあ。リゾート地だろ？
そんなところで人が亡くなるなんて
穏やかじゃないな。
アットホームな雰囲気の
小さなホテルなのだけど
宿泊者たちはどうやら何かしら
嘘をついているようなの。
えー ある意味みんな怪しいじゃん！
主人公は真相を見つけることができるのか？
『ホテル・ピーベリー＜新装版＞』
近藤史恵 (著) 双葉文庫
あらすじ
教師を辞め、友人の勧めでハワイ島へとやってきた木崎淳平。
日本人が経営するこのホテルの特徴は「リピーターを受け入れない」こと。
天気や気温が目まぐるしく変わるこの島を楽しもうとした淳平だが、同宿者の蒲生がプールで溺死。
直後にもう一人の宿泊者、青柳がバイク事故で死亡。
このホテルでいったい何が起こっているのか。
ハワイ島のホテルで立て続けに起こる事故死
仕事を辞めた淳平は、高校の同級生の杉下に「海外にでも行ってきたら？」と、ハワイのお勧めのホテルを紹介されます。
リピーターは受け入れなし、滞在は最長三ヶ月まで。
全六室というその小さなホテルに興味を持った淳平は三ヶ月の宿泊予約を入れます。
ホテル・ピーベリーのスタッフ和美と、オーナーである彼女の夫、先に宿泊していた佐奇森、蒲生、青柳と、新たにやってきた淳平と桑島ナナのメンバーで、自然豊かでのんびりとしたハワイ島を楽しんでいたのですが…。
蒲生がプールで溺れ死んでいるのが発見され、青柳もバイク事故で亡くなります。
青柳が言っていた「きっとおもしろいものが見られる」という言葉が気になります。
そして宿泊者たちが何らかの嘘をついていることが明らかになっていきます。
もちろん淳平自身も…。
まとめ
自然の厳しさと優しさをむきだしにしているハワイ島で、自分自身の傷を癒していく淳平。
周囲の人々も何かしら胸に抱えるものを持っていて、それが思わぬ形で表面化していくのです。
楽園で過ごすひとときは、そんな苦しみから救ってくれます。
続かないことがわかっていても、嘘で固められていても、時にはそんな休息が人には必要なのかもしれません。
＜こんな人におすすめ＞
ハワイ島のホテルで起こる事件を描くミステリーを読んでみたい
登場人物たちが抱える秘密を探っていく物語に興味がある
近藤史恵のファン
淳平にとってはハワイ島の自然も
ホテルでの出来事も必要なことだった
のかもしれないなあ。彼自身の問題を
乗り越えるためにも。
ミステリーではあるけれど
登場人物たちの心の痛みを
丁寧に描いた人間ドラマでも
あるところがいいわよね。
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