こちらは『ちびねこ亭の思い出ごはん』
シリーズの第5弾よ。恋人を亡くした男性や
妻を亡くした男性など今回も様々な人が
大切な人に会いたくて店にやってくるの。
毎回涙なしでは読めないよなあ。
ところで「故人に会えないこともある」
というけど、実際に会えなかった人って
いるのか?
そうね。会えなかった人も
登場するわ。そして、これまでにない
結末を迎える話もあるの。
ええっ!?いったいどんな結末が!?
気になるぜ!
『ちびねこ亭の思い出ごはん たび猫とあの日の唐揚げ』
高橋由太 (著) 光文社文庫
あらすじ
海沿いの白い貝殻を敷きつめた小道の先にあるちびねこ亭。
茶ぶち柄の看板猫・ちびが出迎えてくれるこのお店では、死者と会うことができる。
亡くなった人との思い出のごはんが提供され、その湯気が消えるまでの間、話すことができるというこの店には様々な客がやってくる。
恋人を亡くした男性、幼い息子と義母を亡くし、夫までもが危険な状態となってしまった女性。
思い出ごはんを目にした彼らは大切な人に何を伝えるのか。
作っても食べてもあの人の顔が浮かぶ「思い出ごはん」
書店員として働く颯太に恋人ができました。
美人でやさしく、天使のような女性で、目が見えないということを意識させないほどしっかりとしています。
颯太は正社員への道が拓けたことで、彼女にプロポーズします。
「考えさせてください」そう答えた彼女は帰り道に事故に遭い、帰らぬ人となってしまいます。
自分のせいで、と悔やみ、また、自分は彼女にふさわしくなかったのではと考える颯太がちびねこ亭で頼んだのは「湯引きマグロの漬け丼」。
彼女が最後に足した「美味しくなる魔法」とは。
養護施設で育った美砂は隆と結婚し、義母にもあたたかく迎えられました。
息子が四歳の頃肺炎で亡くなり、夫と義母と暮らしていましたが、やがて義母も他界。
夫が倒れたのも自分のせいだと感じた美砂は、思い出ごはんで義母に出てきてもらい、夫が目覚めたら自分は家を出ようと考えたのですが…。
まとめ
思い出ご飯を食べても、故人に会えないこともあります。
またこれまでにない、切ないラストを迎える話も。
シリーズ5巻目にして、まだまだ新たな展開に出会えるのは読者として嬉しい限り。
高級ではなく、身近な人と楽しんだ「思い出ごはん」。
その湯気と大切な人の声が、読むものの心まで包み込んでくれる、あたたかな物語。
<こんな人におすすめ>
亡くなった大切な人と会えるお店の物語と登場するメニューに興味がある
『ちびねこ亭の思い出ごはん』シリーズのファン
高橋由太のファン
ぐおおおおぉ
せ、せつなすぎる。゚(゚´Д`゚)゚。
せつない中にもかすかな光を
感じさせる、温かな物語ね。
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