こちらは女弁護士が
殺人事件に巻き込まれる
ミステリーよ。『元彼の遺言状』の
続編で、主人公だった剣持麗子も
今回脇役として登場するわ。
あの華やかなブルドーザーみたいな
剣持麗子が脇役なのか。主人公は
やっぱり強烈な個性の持ち主なのか?
年老いた祖母と暮らしていて
剣持麗子よりは地味だけれど
コミュ力はあるわね。剣持玲子には
コンプレックスを抱いている部分もあるかも。
まあねえ。あれだけインパクトある
性格だとね。でもその地味な主人公が
どうやって殺人事件の真相にたどり着くのか。
興味があるな。
『倒産続きの彼女』新川 帆立 (著)宝島社文庫
あらすじ
倒産の危機に瀕する老舗アパレル会社・ゴーラム商会。
この会社に一件の内部通報が入る。
勤めた会社全てを倒産に導く経理部の女性社員の身辺調査を行うことになった弁護士の美馬玉子と剣持麗子。
ブランド品を身につけ、給料以上の暮らしぶりをしている彼女は、会社の金を横領しているのか。
そんな中、ゴーラム商会の「首切り部屋」と呼ばれる部屋で死体が発見され…。
会社を倒産させる女性の正体とは
年老いた祖母と二人で暮らす玉子は山田村・津々井事務所で企業担当の案件を行う弁護士。
二十代後半ということもあり、合コンにも積極的に参加し、ハードな仕事もソツなくこなします。
ある日、倒産しそうだというゴーラム商会からの内部通報を受け、剣持玲子とともに聞き取り調査に向かいます。
美人で優秀、弱い者の気持ちなど1ミリも理解しないであろう剣持に苦手意識を持つ玉子。
そこは表に出さず聞き取り調査を続けていたところ、「首切り部屋」と呼ばれる部屋で、先ほどまで玉子たちを案内してくれた女性、只野課長が刃物で首を切り死んでいたのです。
自ら命を絶ったようですが、いったいなぜ…。
倒産してきた会社を調べていくうちに、玉子はあるつながりに気がつきます。
そこへまた新たな犠牲者が…。
まとめ
今回いの主人公は、強烈なキャラの剣持玲子に比べ、見た目もスペックもやや地味で、剣持にやっかむ気持ちを抱く玉子。
彼女の過去は、一連の行動を深く納得させ、説得力があります。
倒産企業にたかるハイエナのような連中を追う玉子を、期待を裏切らない鈍感力と強さで剣持麗子がサポート。
その活躍ぶりが痛快なリーガルミステリーです。
<こんな人におすすめ>
企業倒産に絡むリーガルサスペンスミステリーに興味がある
前作『元彼の遺言状』を読んだ
新川 帆立のファン
このコンビいいねえ!!
剣持のキャラの濃さが玉子との
ギャップと彼女の良い部分をより
強く引き出してるぜ。
弁護士という仕事は
人の人生にも大きく関わるのだという
ことを感じさせる物語ね。
前作『元彼の遺言状』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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