こちらはある新幹線に
殺し屋たちが乗り合わせるという
お話よ。しかも彼らの目的は
関連があるのよ。
そんな新幹線、乗り合わせたくないわ。
ちなみにどんな目的なわけ？
幼い息子の命をある中学生に握られた元殺し屋、
闇社会のボスの息子を取り戻す役割の二人組、
彼らのトランクを盗む仕事を受けた気弱な殺し屋、
などなど。ハプニングに次ぐハプニングで
先がどうなるか全く読めない展開なの。
スピーディーで先の読めない進行は
伊坂作品ではお手のものだよな。
今回もどんなスリリングな展開が
待ち受けているのか。楽しみだぜ！
『マリアビートル』伊坂 幸太郎 (著)角川文庫
あらすじ
幼い息子の命を救うために敵に挑むアルコール依存症の元殺し屋「木村」。
可愛らしい見た目に反して悪魔のような心を持つ「中学生」。
闇社会で恐れられる人物からの仕事を受けた腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。
運に見放され続ける気弱な殺し屋「天道虫」。
疾走する東北新幹線の中で狙う者と狙われる者、それぞれの思惑が交錯する。
予測不能なノンストップ・サスペンスアクション小説。
新幹線は訳あり客があふれてる！？
元殺し屋の木村は、幼い息子が屋上から転落し、意識が戻らず入院中。
息子を転落させた男子中学生、王子に制裁を加えようと彼の席に近づきますが、逆にスタンガンを当てられ拘束されてしまいます。
王子の指示に従わなければ、病院にいる息子に危害を加える、と言われた木村ですが。
また、闇社会の帝王、峰岸の息子を誘拐した奴らから取り戻し、身代金として用意した金もいっしょに渡す、という依頼を受けた、殺し屋の蜜柑と檸檬。
無事息子と金を取り戻しましたが、少し席を外すと息子が息絶え、おまけにトランクは行方不明に…。
息子殺害とトランクを盗んだ犯人を二人で捜します。
一方、不運な殺し屋、天道虫は蜜柑たちのトランクを盗み、大宮駅で下りて待つ者に渡す、という仕事を受けました。
トランクは簡単に手に入りましたが、昔の知り合いに攻撃されるトラブル発生。
気がつくとトランクは消えていて…。
まとめ
個性豊かな殺し屋や悪人たちが、新幹線という密室の中、命をかけた駆け引きや攻防を展開します。
予想外の殺し屋の登場や、トランクの行方を知る者の状況など、終始ハラハラドキドキさせてくれて、何がこの先起こるのか予想もつかず、ページをめくる手が止まりません。スピード感あふれる、一気読み必至の物語です。
＜こんな人におすすめ＞
東北新幹線を舞台に殺し屋たちが集まり、互いの目的を遂行しようとする物語に興味がある
『グラスホッパー』『AX アックス』を読んだ
伊坂 幸太郎のファン
なんとハリウッド映画化！！ブラッド・ピット主演と俳優陣も超豪華です。映画仕様になったとしてもまた別のおもしろさを楽しめそうですね。
いやあ これはおもしろい！！
映画にぴったりのドキドキ展開だ。
最後まで飽きさせない筆力はさすが！
差し迫った状況でも
どこかとぼけた凄腕の殺し屋たちの
やりとりが秀逸よね。期待を裏切らない
ラストにも大満足なエンタメ小説ね。
『グラスホッパー』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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