こちらは元公安部の
男性がある潜入捜査をするお話よ。
見知らぬ若い男女、そして一匹の
ドーベルマンとともに疑似家族を
演じるの。
おお!ドーベルマン!!
警察犬のイメージあるな。
マクナイトと言う名のドーベルマンは
ひどい環境で暮らしていたようで
人間を信用していないの。主人公は
警察犬と仕事をしていた過去があり
マクナイトと一から信頼関係を
築こうとするの。
へえ〜。それだけ聞いても感動しそう。
とはいえ、潜入捜査もあるわけだからな。
同居する男女の正体も気になるぞ。
『約束の森』沢木 冬吾 (著)角川文庫
あらすじ
殺人事件で妻を亡くし警視庁公安部を退職した奥野侑也。
ある日、元上司を通じ侑也に潜入捜査の依頼が入る。
辺鄙な場所に建つモーターモーテルの従業員として働き、見知らぬ男女と暮らし、偽の家族を演じるというもの。
侑也が現地に到着すると、そこには男女のほかに一匹の傷ついた番犬がいた。
闇に潜む影の組織、そして警察の思惑。
侑也は再び大切なものを守るために、そして自分自身のために立ち向かっていく。
元刑事が出会う 傷ついた犬と疑似家族
元上司を通して公安一課の緒方から北の果てのモウテルで従業員として働くように声をかけられた侑也。
了解すれば同時にある作戦がスタートする、とも。
モウテルには番犬であるドーベルマン、マクナイトがいました。
劣悪な環境で過ごしていたマクナイトは人間に対して不信感を抱いており、侑也にも敵意をむき出しにします。
警察犬と活動した経験がある侑也は、マクナイトの信頼を得るために身体を張って向かっていきます。
そんな時、侑也の住まいに二十歳くらいの女性と、同じく若い男性が現れます。
同時にやってきた緒方から、彼らと「家族」として暮らすようにと言われます。
女性の葉山ふみは国際的極左無政府集団「N」の関係者の娘であり、彼女を囮として近づいてきた彼らを捕らえる作戦だといいます。
挑戦的で剣呑な目つきをした若者、坂本隼人は監視する側なのだとか。
こうして奇妙な疑似家族三人と一匹の暮らしが始まるのですが…。
まとめ
他人同士との、衝突したり話し合いながら形づくっていく「家族」。
本当の家族を失ったり、その存在を確かなものに感じられない彼らが、不器用ながらも少しずつ心を開き、近づいていく姿に胸が温かくなります。
そして敵と対決するアクションシーンは、銃撃あり肉弾戦ありで、思わず拍手が出るような意外な人物のお見事!!な場面も。
そして何より人間に傷つけられたマクナイトが、また侑也を信じ守ろうとする姿に涙が止まりません。
ハラハラドキドキと感動が詰まった、一気読み必至の物語です。
<こんな人におすすめ>
元公安部の刑事が疑似家族や傷ついた犬と共に秘密裏の作戦に挑む物語に興味がある
犬と共に謎の組織と戦う元公安刑事を描いた話を読んでみたい
沢木 冬吾のファン
わああああ 興奮と感動の嵐!!
この戦闘シーンはすごいぞ!!
規模と迫力ハンパねえ!!
傷を抱えたもの同士がぶつかり合い
ながら新しい絆を築いていく
感動の物語ね。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。