イラストブックレビュー

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今の時代から戦争を「感じる」ということ

『帰郷』 浅田 次郎 (著)のイラストブックレビューです。帰るべき家を失くした帰還兵。ニューギニアで高射砲の修理にあたる職工。戦地へ赴く前の出来事を語り合う海軍兵。戦争に巻き込まれた人々が語る、戦中、戦後。今の時代だからこそ読んでほしい、反戦小説集。
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松本の魅力をたっぷりとつめこんだ日常ミステリー

『ただいまつもとの事件簿』新津きよみ(著)のイラストブックレビューです。結婚して三年になる三十三歳の真紀は、夫の転勤で長野県の松本市に転居した。イベントの中で耳にした不思議な出来事、そして友人にまつわる不可解な謎に、真紀は夫とともに挑む。
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自らの命をかけて、父の無念を晴らす!

『自殺予定日』 秋吉 理香子 (著) のイラストブックレビューです。美しく有能な継母と再婚してから、わずか一年半足らずで父が急死した。父の遺産とビジネスを受け継ぎ、これまで以上に活躍する継母の姿に、女子高生の瑠璃は、継母が父を殺したのだと思い、自らの死でその罪を告発しようと、自殺の名所と呼ばれる村へ訪れる。
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やる気のなさをキレ味鋭い文章で綴る ジワるエッセイ

『苦手図鑑』 北大路 公子 (著)のイラストブックレビューです。靴下を丸めたまま洗濯かごに入れる父親の行為は、洗濯する自分への挑戦なのか。タクシーの運転手に予言されたこの夏の鯉の行方。雪の中に落とした小銭は雪が溶けても出てこない問題…。日常に潜む「苦手」なものを、無駄に繊細な筆致で描く脱力系エッセイ。
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名もなき草の語る話がもたらすものとは

『雲上雲下』朝井まかて (著) のイラストブックレビューです。昔むかし。深い山中にぽっかりと、袋の口を開いたかのような草原に、一本の名もなき草がいた。ある日、一匹の小狐がやってきて「草どん、お話してくれろ」とせがむ。
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あなたの消したいモノは何ですか?

『君の××を消してあげるよ』 悠木 シュン (著) のイラストブックレビューです。バトン部に所属する中学三年生の小笠原幸は、最後のコンクールを控えた時期に退部を決意。その本当の理由は、教師にも親友にも話せない、四年前に起こった出来事だった…。
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プチ依存のトンネルを脱けるカギ

『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。』汐街コナ (著), 大石雅之 (監修) のイラストブックレビューです。楽しいわけではなく、苦しみも伴うのになかなかやめられないプチ依存に、あなたも陥っていませんか?そんなプチ依存、そしてエスカレートしてしまった依存を体験し、脱出してきた方たちと専門医からの話をまとめたコミックエッセイ。
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ストーカーによる殺人事件からはじまる警察の闇

『朽ちないサクラ』 柚月 裕子 (著)のイラストブックレビューです。ストーカーの被害に遭っていた女性が殺された。警察による怠慢であると新聞にスクープ記事を出され、警察広報職員の泉は、親友であり新聞記者である千佳を疑う。自分ではない、と主張する千佳は、数日後、死体となって発見された。
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それは正義なのか?生徒を守る「ガーディアン」とは

『ガーディアン 』 薬丸 岳 (著)のイラストブックレビューです。英語教師の秋葉が赴任した石原中学は、いじめも少なく、問題を起こす生徒もいないが、長期欠席する生徒が増え続けていた、不審に思い調べはじめた秋葉は背後に生徒たちの「自警団」が存在することを知る。
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家族のゆがみを描く 予測不可能な九つの結末

『夫の骨』 矢樹純 (著)のイラストブックレビューです 。夫の孝之が山で遭難し、亡くなってから一年が経った。ふと思いたち、物置の整理をしたところ、小さな桐箱に入った乳児の骨を見つける。二年前に亡くなった義母が産んだのか、子供の父親は誰なのか。猜疑心に囚われた私は…。表題作「夫の骨」ほか家族の歪みを描く九つの短編集。