中公文庫

イラストブックレビュー

「大人」から解放された時「私」のための人生がはじまる

誕生日を迎えて三十五歳になったメイはカフェの副店長として働く日々。毎日カフェにランチを食べに来る男性客もそんな変わらぬ日々の一コマだったのだが、「五月生まれなんですか?」と彼らから声をかけられたことで、メイの日常は少しずつ変わりはじめる。
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天才ハッカーが廃れゆく日本伝統工芸を救う!?

和歌山県の熊野古道に現れた、世界を股にかける天才ハッカー黒木。桐だんすを作る職人のもとで伝統工芸の研究をしている大学院生・柴田澪にある提案を持ちかけます。驚くようなその提案内容に、黒木の意図がつかめずに戸惑う澪。黒木が世界に向けた目論見とは何なのか。
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三千円の使い方で人生が変わる?かも。

『三千円の使いかた』原田ひ香 (著) のイラストブックレビューです。大学を卒業し、就職して念願の一人暮らしをはじめた美帆。美帆の五つ上の姉であり、専業主婦の真帆。美帆と真帆の母であり、がんの手術をし退院した智子。夫の死後、一人暮らしをしている祖母の琴子。彼女たちは迎えるピンチにどのようにお金を使うのか。
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物語のために「女が死ぬ」とき、現実世界で「女が死ぬ」とき

『女が死ぬ』松田青子 (著) のイラストブックレビューです。あなたの好きな少女は細くて、可憐で、はかなげだ。間違っても、がははと笑ったりはしない。では、がははと笑う少女はどこに行けばいいのか(「あなたの好きな少女が嫌い」)など、女であることの窮屈さ、うっとうしさをシニカルな目線で描く五十三の掌編集。
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おいしいスープのようにじんわりしみこんでいく物語

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』吉田 篤弘 (著) のイラストブックレビューです。よくいく映画館の隣町で、窓をあけると教会が見えるアパートに引っ越してきた大里ことオーリィ。ある日オーリィに、サンドイッチ店の店長が「うちの店で働かないか」と持ちかけてきて…。
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死者は意外と近くにいるようで…。

『おばちゃんたちのいるところ-Where The Wild Ladies Are』松田 青子 (著)のイラストブックレビューです。追いつめられた現代人のもとへ、おばちゃん(幽霊)たちが一肌脱ぎにやってくる。抱えていた心の闇がすっきりと晴れる物語。
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食と人をつなげる キマジメ秘書の奮闘記

『から揚げの秘密-ひぐまのキッチン』 石井 睦美 (著)のイラストブックレビューです。真面目で勤勉だが、郷土の人見知りである「ひぐま」こと樋口まりあが、米、粉、砂糖などを扱う商社「コメヘン」の社長秘書として働くようになって9ヶ月が過ぎた。仕事にも慣れてきて、やりがいを感じていたある日、まりあが担当した仕事にクレームが入る。
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マシなほうを選ぶしかない日本の未来とは

『エージェント-巡査長 真行寺弘道』榎本 憲男 (著) のイラストブックレビューです 。令和初の総選挙では、首相の経済政策を批判する、二世議員が率いる新党が大きく議席を伸ばした。飲み屋で起こった、政治の話題から発展した客同士の騒ぎの現場に居合わせた真行寺は、知らぬうちに日本経済の裏側を覗き見るハメに…。
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フェミニストが主張する性からの「真の解放」とは

『ワルキューレ 巡査長 真行寺弘道』榎本憲男 (著) のイラストブックレビューです。五十代にして平刑事の真行寺弘道はある誘拐事件を捜査することに。拐われたのはモデル事務所に所属していた十七歳の麻倉瞳。犯人の要求は金品ではなく、同居している評論家デボラ・ヨハンソンに対するものだった。その驚きの内容とは。
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あなたが遭遇する2030年はこの中にありますか

『2030年の旅』のイラストブックレビューです。東京オリンピックからさらに10年が経過した2030年。この国の化学、仕事や恋愛はどのように変化しているのか。ジャンルの異なる作家陣が描く、未来の日本を描いた短編集。