光文社文庫

イラストブックレビュー

松本の魅力をたっぷりとつめこんだ日常ミステリー

『ただいまつもとの事件簿』新津きよみ(著)のイラストブックレビューです。結婚して三年になる三十三歳の真紀は、夫の転勤で長野県の松本市に転居した。イベントの中で耳にした不思議な出来事、そして友人にまつわる不可解な謎に、真紀は夫とともに挑む。
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思いもよらぬ角度から突きつけられる狂気と恐怖

『独白するユニバーサル横メルカトル』 平山 夢明 (著) のイラストブックレビューです。タクシー運転手を主人に持つ地図が語る、主人とその息子のおぞましい所行を描いた表題作ほか凄惨でありながらも、静謐な美しさを湛えたホラー短編集。
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本の向こうに連れて行かれないようご注意を

『奇譚を売る店』芦辺 拓 (著)のイラストブックレビューです。「また買ってしまった」。古書店を見かけるとつい中に入っては本を手にしてしまう「私」。その古書との出会いによって「私」は奇妙な世界へと導かれていく。幻想怪奇な魅力に満ちた全六編の連作短編集。
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泊まれる駅で生まれる 旅先でのひとときのドラマ

『駅に泊まろう!』 豊田 巧 (著) のイラストブックレビューです 。ブラックな居酒屋チェーン店の店長だった桜岡美月は、会社にほとほと嫌気がさし、辞表を叩きつけたあと、東京駅から新幹線のグランクラスへ乗りこみ、到着したのは北海道。祖父から譲り受けたコテージのオーナーとしての新生活がはじまる。
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男たちの欲望と駆け引きを生々しく描いた短編集

『地面師』梶山 季之 (著)のイラストブックレビューです。ずさんな経営から、倒産寸前へと追い込まれてしまったS製薬。銀行が貸し渋りする中、資金繰りに奔走する経理部長、滝沢のもとへ、九州に広大な不動産を所有する資産家の協力を得られるという情報が入ってきたのだが。
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本屋さんと「謎」は相性がいい

レジまでの推理: 本屋さんの名探偵』似鳥 鶏 (著)のイラストブックレビューです。姿を見せない名物店長、ほぼ店長がわりのフル稼働バイトやベテランバイトなど個性的なメンバーが働く本屋さんには、様々な謎が起こります。
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全てを失った者にとっての本当に安全な場所とは

『彼女たちが眠る家』原田 ひ香 (著)のイラストブックレビューです。九州の離島にある家。ここには、ある問題を抱えた女たちが集まり、世間から距離を置き、静かに暮らしていた。ある母娘が入居したことから、彼女たちの日常が大きく変わっていく。
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ひょっとしてあなたも猫に操られているかも?

『猫の傀儡(くぐつ) 』西條 奈加 (著)のイラストブックレビューです。猫が多く暮らし「猫町」と呼ばれる米町。この町には人間を遣い、操り、思うように動かす「傀儡師」と呼ばれる猫がいる。傀儡師となった猫のミスジは、傀儡の人間を連れ出し、江戸の町のトラブルを解決していく。
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失っているときはシンプルになっている時なんだ

『今はちょっと、ついてないだけ 』伊吹 有喜 (著) のイラストブックレビューです。落ち目となった、四十代の自然写真家・立花浩樹は、ある少女からの撮影依頼で東京へ行くことになった。ここから彼の「敗者復活戦」がはじまる。
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父の手紙に込められた子供たちへの愛

『父からの手紙』小杉 健治 (著)のイラストブックレビューです。姉弟である麻美子と伸吾のもとには、失踪した父・伸吉からの手紙が届いていた。しかし、結婚を控えた麻美子の婚約者が殺され、容疑者として逮捕された弟を救うため奔走するうちに、驚くべき父の真実が明らかに。