小説・人文

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『映画化決定』友井 羊 (著)

「きみのマンガ、映画化決定ね!」高校二年生のナオトは、同級生のハルから突然告げられる。高校入学時からいくつもの賞を取る天才女子高生監督・ハルからの申し出を一度は断ったナオトだが、制作現場に立ち合うことを条件として作品の使用に同意。小学生の頃に描いたこの作品を超えるためのヒントが映画作りの中にあるかもしれない、と考える。一方、ハルは大きな秘密を抱えていた。
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『ちびねこ亭の思い出ごはん チューリップ畑の猫と落花生みそ』高橋由太 (著)

公立中学校の国語の教師である櫻井登は、妻が急に亡くなった後、幼い娘・桃子を男手ひとつで育ててきた。二十八歳になった桃子は「結婚したい人がいる」と交際相手の平野真佐也をつれてきた。アルバイトをして金をためて店を持ちたいという真佐也。先行きの見えない二人の結婚に反対し追い返した後、二人は事故に遭って亡くなってしまう。登は桃子の職場の同僚から聞いたちびねこ亭へ、二人の遺骨を持って訪れる。
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『異邦人』カミュ (著)

養老院に入っていた母親が死んだ。ムルソーは母親を埋葬した翌日、女と体を重ね、映画を見る。友人の女関係のトラブルから一人の男を殺してしまう。その動機は「太陽のせい」。刑務所に入り、弁護士と話を重ね判事とも会話をするが内容が噛み合わない。裁判で死刑判決を受け、来たる死について考えながら、自分の幸福と最後の望みに気づく。
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『推し、燃ゆ』宇佐見 りん (著)

高校生のあかりはアイドルグループ「まざま座」のメンバー、上野真幸のファン。推しのインタビューや動画をチェックし、彼の行動や言動を解釈し、彼と同じ景色が見たい。そんな思いからバイトに励み、その思いをブログに綴っていたあかり。ある日、ファンを殴ったとして推しが炎上。混乱した思考のなか、推し続けることだけは決まっていた。
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『ぎょらん』町田 そのこ (著)

人が死ぬ瞬間強く願ったことが、小さな赤い珠となってこの世に残ると言う。この「ぎょらん」と呼ばれる珠を噛み潰すと死者の願いが蘇り共有できる。葬儀会社に勤める青年・朱鷺はこの都市伝説のような珠について調べ続けていた。死者への後悔を抱えた者たちに、ぎょらんは何を見せ、伝えるのか。喪失と悔恨の日々を送る遺された者たちの再生を描く物語。
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『懲役病棟』垣谷 美雨 (著)

暴走族だった過去を持つ、金髪の女医・太田香織は半年の任期で女子刑務所の勤務医に。後輩から餞別にと渡された聴診器を使うと、何と患者の過去や思いが聞こえてくる。同じく派遣されることになったベテラン看護師・松坂マリ江とともに、受刑者と個人的に接してはならないという禁を破り、彼女たちの進む道を拓いていく。不思議な聴診器が思わぬものを医師に聞かせる「病棟」シリーズ第三弾。
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『月曜日の抹茶カフェ』青山 美智子 (著)

桜並木が途切れたところにぽつんとある、小さな店「マーブル・カフェ」。定休日の月曜日、当日限りの「抹茶カフェ」に。ツイていないと嘆く携帯ショップの店員、照れ屋で女性と話すのが苦手なために、ぶっきらぼうな対応をしてしまう茶問屋の若旦那、何かと口うるさい祖母のことが苦手に感じている紙芝居師、京都老舗和菓子屋の元女将。一杯の抹茶からつながり広がっていく、東京と京都をつなぐあたたかな物語。
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『刺青・秘密』谷崎 潤一郎 (著)

肌に針を刺され痛みにもだえる人間の姿に悦びを感じる刺青師の清吉。彼の願いは、美女の肌へ己の魂を刺り込む事。しかし、彼が望む姿の女性は容易に見つからない。そんな折、清吉のもとへある芸妓の使いであるという娘がやってきた。この娘が探していた女だと気づいた清吉は、彼女をほんとうの美しい女にするために針を刺していった(「刺青」)。
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『金の角持つ子どもたち』藤岡 陽子 (著)

サッカーのクラブチームに所属していた俊介は、「サッカーをやめる。中学受験のために塾へ通いたい」と両親に打ち明ける。俊介が日本最難関と言われる中学を目指すのには理由があった。小学校入学を控えた難聴の妹・美音、今でもギリギリで何とか回っている家計の中、両親は俊介を応援していくことを決意。俊介は塾に通いはじめ、受験勉強に取り組む。
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『逆ソクラテス』伊坂幸太郎 (著)

学力も運動もそこそこの小学生・加賀は、転校生の安斎からある作戦をもちかけられる。作戦の目的は担任の久留米先生の先入観を崩すこと。草壁は久留米先生に、高圧的な態度を取られている。それは先生が、草壁は大した生徒ではないと考えているから。そんな先生の思い込みは間違っているのだということを証明する。草壁と、作戦の意図に賛同した優等生女子、佐久間が加わり、作戦を決行する。