文春文庫

イラストブックレビュー

あなたはこの物語の世界から抜け出せるか

『熱帯』森見 登美彦 (著) のイラストブックレビューです。作家・森見登美彦は友人とともに「沈黙読書会」なるものに参加。会場にはかつて読んだことのある小説「熱帯」を持った女性がおり、「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」と言う。
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全てがつながり、巻き込まれ、そしてまた生まれ出る世界

『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』大島 真寿美 (著)のイラストブックレビューです。江戸時代の大坂・道頓堀。穂積成章は父から近松門左衛門の硯をもらい、浄瑠璃作者・近松半二として歩み出す。書かずにはいられない半二の生涯と、現代に残る名作、「妹背山婦女庭訓」のほか、物語が生まれる様子を軽快な大阪弁で軽やかに、そして情熱的に描く。
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米原さんのすごさに打ちのめされる書評集

『打ちのめされるようなすごい本』米原 万里 (著) のイラストブックレビューです。ロシア語会議通訳・エッセイスト・作家として活躍し、2006年にこの世を去った著者の、1995年から2005ねんまでの全書評を掲載。世界情勢、政治、文化、歴史、サブカルまで、あらゆるジャンルの本に対して奥深く、真摯にそして鋭く的確に評する一冊。
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愛すること、生きること、死ぬことを刺さるような言葉で綴る

のこ こちらは「生」や「愛」に 一線を置いている男性が 自分の内面に迫っていく物語よ。 ぬこ ほほう。 「生」や「愛」に一線を置いているとは。 ちょっとやさぐれた男なのか? のこ 東大卒で大手出版社...
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父の死によって浮かび上がる 家族それぞれの愛の形

のこ こちらは父親を殺した、と母親から 告白を受けた子供達が、対応に 迫られつつ、それぞれが父との 思い出と自分の人生を回想していく物語よ。 ぬこ こ、殺したって…(゚o゚;; 夫婦仲が悪かったってこと? ...
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「食べること」とはこんなにも多彩で豊かなのだ

『かきバターを神田で』下田 昌克 平松 洋子 (著) のイラストブックレビューです。熱いバター醤油にまみれた立派なかき、清らかなせん切りキャベツ。熱い鍋肌にへばりつかせてふわっと焼いた羊肉に癒されるジンギスカン。料理店の味から家庭の味まで、あらゆる美味しいものに心弾ませるエッセイ。
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ワインの味わいとともに広がっていく世界

『東京ワイン会ピープル』樹林 伸 (著)のイラストブックレビューです。不動産会社に勤める桜木紫野は、同僚から誘われ、ワイン会に参加し、織田一志というベンチャーの若手旗手と出会う。ワインに対する紫野の感性に興味を持った織田は、別のワイン会に紫野を誘うが、ある事件が起きて…。
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追い詰められたのは私?それとも…

『スタフ staph』 道尾 秀介 (著) のイラストブックレビューです。夫に浮気され、バツイチとなったアラサーの夏都。海外で働く姉の息子で中2の智称を預かり、ぎりぎりの生活の中で移動デリの仕事を続けている。ある日、夏都は中学生アイドル・カグヤのファン達に車ごとさらわれてしまい…。
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煌びやかなショーや会見の舞台裏

『東京會舘とわたし 下 新館 』辻村 深月 (著)のイラストブックレビューです。東京會舘は、井上靖や三島由紀夫らの小説に描かれ、越路吹雪は多忙ながらも會舘でのショーには出演していた。70年代はじめに改装、平成では震災の夜、帰れない人々を受け入れた。その翌年には、万感の思いで直木賞受賞会見に臨む作家がいた。
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歪んだ価値観の本当の被害者は誰なのか

『昨日がなければ明日もない』宮部 みゆき (著)のイラストブックレビューです。「私の子供が殺されそうなの」。中1の娘とともに杉村探偵事務所を訪れた29歳のシングルマザー・朽田美姫。小学一年生の息子、竜聖が事故に遭い、入院中なのだという。表題「昨日がなければ明日もない」ほか二編を収録した、杉村探偵とちょっと困った女たちの事件簿。