イラストブックレビューひと目でわかる!イラストブックレビュー『異邦人』カミュ (著) 養老院に入っていた母親が死んだ。ムルソーは母親を埋葬した翌日、女と体を重ね、映画を見る。友人の女関係のトラブルから一人の男を殺してしまう。その動機は「太陽のせい」。刑務所に入り、弁護士と話を重ね判事とも会話をするが内容が噛み合わない。裁判で死刑判決を受け、来たる死について考えながら、自分の幸福と最後の望みに気づく。 2023.10.11イラストブックレビュー
イラストブックレビューひと目でわかる!イラストブックレビュー『ぎょらん』町田 そのこ (著) 人が死ぬ瞬間強く願ったことが、小さな赤い珠となってこの世に残ると言う。この「ぎょらん」と呼ばれる珠を噛み潰すと死者の願いが蘇り共有できる。葬儀会社に勤める青年・朱鷺はこの都市伝説のような珠について調べ続けていた。死者への後悔を抱えた者たちに、ぎょらんは何を見せ、伝えるのか。喪失と悔恨の日々を送る遺された者たちの再生を描く物語。 2023.09.22イラストブックレビュー
イラストブックレビューひと目でわかる!イラストブックレビュー『刺青・秘密』谷崎 潤一郎 (著) 肌に針を刺され痛みにもだえる人間の姿に悦びを感じる刺青師の清吉。彼の願いは、美女の肌へ己の魂を刺り込む事。しかし、彼が望む姿の女性は容易に見つからない。そんな折、清吉のもとへある芸妓の使いであるという娘がやってきた。この娘が探していた女だと気づいた清吉は、彼女をほんとうの美しい女にするために針を刺していった(「刺青」)。 2023.09.13イラストブックレビュー
イラストブックレビューひと目でわかる!イラストブックレビュー『樽とタタン』中島 京子 (著) 今から三十年以上前、小学生だったわたしは学校帰りに毎日坂の下の喫茶店に通っていた。店の隅にある赤い樽が気に入っていた私を、常連客の小説家が樽といっしょだから「タタン」と名付けてくれた。店にはこの小説家のほかに歌舞伎役者の卵や謎の生物学者、無口な学生などクセの強い客がやってくる。学校が苦手な少女は、ヘンテコな大人たちの本当や嘘を耳にする。 2023.08.28イラストブックレビュー
イラストブックレビューひと目でわかる!イラストブックレビュー『狐笛のかなた』上橋 菜穂子 (著) 夜名ノ里のはずれに住む小夜は十二歳。草木に宿る魂の声をも聞き分ける能力「聞き耳」の持ち主。ある日の夕暮れ、犬に追われている子狐を助けた小夜。この子狐はこの世と神の世の狭間である「あわい」に棲む霊狐・野火であった。その能力故に隣り合う国の争いに巻き込まれた小夜と野火。住む世界さえも異なる二人の響き合う魂の物語。 2023.08.23イラストブックレビュー
イラストブックレビューひと目でわかる!イラストブックレビュー『世界でいちばん透きとおった物語』杉井 光 (著) 有名なベストセラー推理作家の宮内彰吾を父に持つ燈真だが父と会ったことは一度もない。校正者だった母と仕事をしていた編集者の霧子さんから、父が亡くなったとの連絡が。その1ヶ月後、宮内の長男・朋晃から、父親が死ぬ間際に執筆していたと思われる小説について何か知らないかとたずねられ、燈真はその原稿を探すことに。果たしてその原稿を見つけ出すことができるのか。 2023.08.21イラストブックレビュー
イラストブックレビューひと目でわかる!イラストブックレビュー『八月の銀の雪』伊与原 新 (著) 断られ続ける就活、幼い娘を育てるシングルマザー、夢をあきらめた契約社員。傷つき苦しむ彼らが出会った科学の世界と知識は、新たな一歩を踏み出すための力となる。壮大な自然の営みや動物・生物の不思議さに包まれ癒されていく五編の物語。 2023.08.11イラストブックレビュー
イラストブックレビューひと目でわかる!イラストブックレビュー『個人的な体験』大江 健三郎 (著) 広大なアフリカの地をいつか旅してみたい。そんな夢を抱いていたバードだが、生まれてきたわが子を見て恐怖感に囚われた。脳に異常を持った嬰児は大学病院へと移されるが、息子の死を願いながら旧知の友人、火見子と体を重ね、自ら禁じていた酒に手を出し、背徳と絶望の日々を送っていた。わが子にふりかかる運命を受け入れることに迷い、その生と死の間で揺れ動く様を描く物語。 2023.07.07イラストブックレビュー
イラストブックレビューひと目でわかる!イラストブックレビュー『プロジェクト・インソムニア』結城真一郎 (著) 睡眠障害ナルコレプシーのために職を失った蝶野は、中学時代の同級生・蜂谷から人体実験へと誘われる。「プロジェクト・インソムニア」と名付けられたその実験は、選ばれた七名が九十日間夢の世界で毎晩生活をする、というもの。それは望んだとおりのものを作り出すことができる理想郷であり夢の中で死ぬことはない。そう説明を受け参加を決めたが、メンバーの死体が夢の中に現れる。そして現実の世界でも死者が…。 2023.04.18イラストブックレビュー
イラストブックレビューひと目でわかる!イラストブックレビュー『占』木内 昇 (著) 咲山町の一軒家に、翻訳の仕事をしながら独りで暮らしていた桐子は、家の修繕に来た大工の伊助と深い仲になる。伊助は生き別れとなった義妹がおり、何よりも大切なのだと言います。それでは自分の存在は何なのかと怒り、悩む桐子は時追町の占い館で伊助の気持ちを見てもらうのだが…(「時追町の卜い家」)。「占い」から欲しいものを求め、振り回され、混乱しながらも、自分なりの真実を求めて力強く生きていく女性たちの姿を描いた短編集。 2023.04.17イラストブックレビュー