新潮文庫

イラストブックレビュー

お腹も心もやさしく満たされる 7つのおいしい物語

舌の合う恋人とデートで訪れた中華街で食べる、彼のお気に入りの「ぶたばら飯」、幼い頃に母に教えられたみそ汁の作り方。時に甘くやさしく、そしてちょっぴり切ない思いも運ぶ、7つの食卓の風景をおさめた短編集。
イラストブックレビュー

「夢の国」を目立たずひっそりと支えた女の子が抱いた夢

『ミッキーマウスの憂鬱ふたたび』松岡圭祐 (著)のイラストブックレビューです。19歳の永江環菜は東京ディズニーランドで清掃のアルバイトをしている。TDRの親善大使、アンバサダーの募集があり、環菜は意を決して立候補する。そしていよいよ迎えた選考日当日、園内では環菜たちを巻き込む大騒動が起こる。
イラストブックレビュー

ここでは生きられない ここでしか生きていけない

『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』町田 そのこ (著)のイラストブックレビューです。思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、生まれ変わる同級生の様子を見守るひととき、救いようのない状況で求める変わらぬ思い。水の中で漂い、停滞し、もがく男女の苦しさとせつなさを描く5編の短編集。
イラストブックレビュー

ままならない人生にそっと寄り添う月の光

『月まで三キロ』 伊与原新 (著)のイラストブックレビューです。広告代理店を辞め、独立するも、経営が悪化し立ちゆかなくなる。妻とは離婚し、手元に残ったのは借金だけ。死に場所を求めて乗ったタクシーは、ある場所へと向かった(「月まで三キロ」)ほか、ままならない人生にやさしく寄り添う自然と人間たちとを描く、六つの短編集。
イラストブックレビュー

「未来が見える」って幸せなこと?

『てんげんつう』 畠中恵 (著)のイラストブックレビューです。若だんなの前に「てんげんつう」と名乗る男が現れた。千里眼を持つこの男は、あらゆるものが見えるために人々に嫌われてしまう。何とかして欲しい、と若だんなに頼み込むだが…。大人気「しゃばけ」シリーズ第18弾。
イラストブックレビュー

あなたの心を癒すコンビニ、あります。

『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店』町田そのこ (著) のイラストブックレビューです。九州エリアのみに展開しているコンビニチェーン「テンダネス」。中でもトップクラスの売り上げを誇る名物店、「門司港こがね村店」では、その放出するフェロモンにより老若男女問わずに虜にしてしまうという魔性の店長が、熱心に仕事をしている。
イラストブックレビュー

暗い欲望が絡む 五つの陰惨な事件を描く

『儚い羊たちの祝宴』 米澤 穂信 (著)のイラストブックレビューです。大きな事業を営む丹山家の長女、吹子は大変な読書家で、大学へ入ってからは「バベルの会」という読書サークルに参加。両家の子女が集まるこのサークルの合宿を楽しみにしていた吹子だが、屋敷の中で吹子の近親者が殺害される。「バベルの会」をめぐる五つの邪悪な事件を描く。
イラストブックレビュー

何故こうなった?人の心に潜む闇を描き出す物語

『許されようとは思いません』芦沢央 (著)のイラストブックレビューです。入社三年目、常に営業成績最下位だった修哉が大きく成績を伸ばした。調べたところ自分が誤って注文数を多く入力してしまったことがわかった。ミスを言い出せなくなった修哉の取った行動が思わぬ災難へとつながっていく(「目撃者はいなかった」)。
イラストブックレビュー

稀代の悪女かそれとも女神か。その素顔とは。

『悪女について』 有吉 佐和子 (著) のイラストブックレビューです。他殺か自殺か。謎の死を遂げた。女実業家の富小路公子。彼女に関わった二十七人へのインタビューから、次々と驚きの事実が明らかに。人によってまるで違う印象を使い分ける女の生き様を描く。
イラストブックレビュー

戴国の新しい幕開けはどちらの王の手によるのか

『白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記』小野 不由美 (著) のイラストブックレビューです。暗闇の中で、男は黒い騶虞を手に入れた。地の底で感じる「生かされている」ということ…。一方、阿選は閉じ込めた驍宗を再度捕えるべく、函養山へ兵を派遣する。王宮に幽閉されているも同然の泰麒の心の内と、意を決して取った行動とは。戴国の命運やいかにい。