何もかも憂鬱な夜に

イラストブックレビュー

言葉の持つ「力」に打ちのめされる物語

『何もかも憂鬱な夜に』 中村 文則 (著)のイラストブックレビューです。施設で育った刑務官の「僕」は、ある夫婦を刺殺した二十歳の未決囚である山井を担当している。山井とのやりとりの中で、どこか自分と似たところがあると感じる「僕」は、自殺した友人や恩師とのやりとりに思いを馳せる。