小説・人文

イラストブックレビュー

三千円の使い方で人生が変わる?かも。

『三千円の使いかた』原田ひ香 (著) のイラストブックレビューです。大学を卒業し、就職して念願の一人暮らしをはじめた美帆。美帆の五つ上の姉であり、専業主婦の真帆。美帆と真帆の母であり、がんの手術をし退院した智子。夫の死後、一人暮らしをしている祖母の琴子。彼女たちは迎えるピンチにどのようにお金を使うのか。
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ここでは生きられない ここでしか生きていけない

『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』町田 そのこ (著)のイラストブックレビューです。思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、生まれ変わる同級生の様子を見守るひととき、救いようのない状況で求める変わらぬ思い。水の中で漂い、停滞し、もがく男女の苦しさとせつなさを描く5編の短編集。
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大学の腐敗人事と男女の愛憎劇が複雑に絡む

『葦の浮船 新装版』松本 清張 (著) のイラストブックレビューです。大学の助教授を務める小関はこれといった業績もなく、見た目も野暮ったい。一方、同僚の折戸は秀才型で著書も何冊も出しているし、スマートな容貌で女性からも人気がある。折戸は知り合った人妻と不倫関係になり、さらに小関が好感を持つ知り合いの女性にまで手を出そうとするのだが。
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働くみんなの「あるある」満載!「超」共感物語

『店長がバカすぎて』 早見和真 (著) のイラストブックレビューです。吉祥寺の武蔵野書店で働く谷原京子、二十八歳。多忙でありながら薄給にあえぐ契約社員である。店長である山本猛が全く使えず、いつもピンとのずれた発言と行動で京子を苛立たせる。毎日「マジで辞めてやる!」と思う京子だが…。
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ままならない人生にそっと寄り添う月の光

『月まで三キロ』 伊与原新 (著)のイラストブックレビューです。広告代理店を辞め、独立するも、経営が悪化し立ちゆかなくなる。妻とは離婚し、手元に残ったのは借金だけ。死に場所を求めて乗ったタクシーは、ある場所へと向かった(「月まで三キロ」)ほか、ままならない人生にやさしく寄り添う自然と人間たちとを描く、六つの短編集。
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血脈のように広がる物流を止められた東京を襲う悲劇

『東京ホロウアウト』 福田 和代 (著)のイラストブックレビューです。コロナ禍であり、オリンピックの開催が間近に迫った東京で、配送トラックの荷物に青酸ガス入りの荷物が積まれるテロ事件が次々と起こる。さらに鉄道爆破、高速トンネルでの火災も発生し、交通が麻痺状態に。この危機を救うために立ち上がったのは長距離トラックドライバーたちだった。
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流星のように光り胸に染みこんでいく音楽と言葉たち

『流星シネマ』  吉田 篤弘 (著) のイラストブックレビューです。崖の下にあるこの町には鯨塚がある。その昔、この町にクジラが迷い込んできたことがあるらしい。太郎はこの町の「流星新聞」を発行する手伝いをしている。個性的な住人たちが織りなす、豊かで滋味深い人間模様を描く。
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あなたの心を癒すコンビニ、あります。

『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店』町田そのこ (著) のイラストブックレビューです。九州エリアのみに展開しているコンビニチェーン「テンダネス」。中でもトップクラスの売り上げを誇る名物店、「門司港こがね村店」では、その放出するフェロモンにより老若男女問わずに虜にしてしまうという魔性の店長が、熱心に仕事をしている。
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愛する彼女を止められない彼が手にしたものとは

『恋に至る病』斜線堂 有紀 (著) のイラストブックレビューです。若者達の間で流行し、多くの被害者を出した自殺教唆ゲーム「青い蝶(ブルーモルフォ)」。主催者は誰からも好かれる優等生、寄河景。彼女はなぜこのようなゲームを作り、多くの人間を死へと導いたのか。
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物語のために「女が死ぬ」とき、現実世界で「女が死ぬ」とき

『女が死ぬ』松田青子 (著) のイラストブックレビューです。あなたの好きな少女は細くて、可憐で、はかなげだ。間違っても、がははと笑ったりはしない。では、がははと笑う少女はどこに行けばいいのか(「あなたの好きな少女が嫌い」)など、女であることの窮屈さ、うっとうしさをシニカルな目線で描く五十三の掌編集。