河出文庫

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『推し、燃ゆ』宇佐見 りん (著)

高校生のあかりはアイドルグループ「まざま座」のメンバー、上野真幸のファン。推しのインタビューや動画をチェックし、彼の行動や言動を解釈し、彼と同じ景色が見たい。そんな思いからバイトに励み、その思いをブログに綴っていたあかり。ある日、ファンを殴ったとして推しが炎上。混乱した思考のなか、推し続けることだけは決まっていた。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『サード・キッチン』白尾 悠 (著) 河出文庫

ある人物の援助を受け、アメリカの大学に留学することができた尚美。会話がうまくいかず、ほぼひとりぼっちで過ごす毎日。ある日、人種や性別などあらゆるマイノリティが集う特別な食堂「サード・キッチン」に招かれます。学生たちが自らの手で作る多国籍料理に心を満たされますが、同時に尚美自身が差別や偏見の目を持っていたことに気づきます。傷つき、傷つけ合いながら仲間を信じ、支えつつ前を向いて進んでいく若者たちの姿を描く、感動の青春物語。
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「いのち」に対する新しい価値観がはじまる

人口が急激に減少した世界では、人が死ぬと「生命式」というタイプの式がスタンダードになっていた。「生命式」とは、死んだ人間を食べながら男女が受精相手を探し、どこかで受精を行うもの。池谷の同僚であり良き理解者であった山本が死に、池谷は山本の生命式の銃尾を手伝うことに(「生命式」)。
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「男らしく生きる」って結構大変なんです

地元の仲間との関係に縛られ、抜け出せずにいるアラサー男。交際することになった女子高生の積極性に恐怖すら感じる男子高生。求められる「男らしさ」に馴染むことのできない男たちの、おかしくてちょっぷり切ない物語集。
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迷いなく破滅への道へ向かう者と巻き込まれていく者

浪人生の徳山は、バイト仲間に連れられて訪れたキャバクラでナンバーワンキャバ嬢の初美と出会う。残酷な世界を語り、物語を嫌う初美にのめり込んでいく徳山。やがて二人は同棲し、外界との関係を断っていく。
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自分こそが「犯人だ」と思う人間が7人もいる!?

『私という名の変奏曲』連城 三紀彦 (著)のイラストブックレビューです。モデルとして世界的な活躍をしていた美織レイコが、自宅マンションで死体となって発見された。彼女を殺す動機を持つのは7人の男女。彼らはそれぞれが自分がレイコを殺したと思い込んでいた。
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二人の姿を思い浮かべてウフフとなるお話

『くらげが眠るまで』木皿 泉 (著) のイラストブックレビューです。ちょっと頼りない年上でバツイチの夫、ノブ君としっかり者の若奥さん・杳子の楽しい日々の生活。日常の平凡なやりとりから暖かな光が灯るような会話まで、幸せな笑いに満ちた物語。
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火口の底に渦巻くのは欲望か、あるいは絶望か

『火口のふたり』白石 一文 (著)のイラストブックレビューです。結婚式を控え、従兄の賢次と久しぶりに再会した直子。かつて何度も快楽を貪りあった、そして彼女にとって初めての男でもある。挙式までの五日間、ふたたび身体を重ねる、出口のない二人の行きつく先とは。
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アフリカ出身の女性たちの苦悩と感情のひだを描く

『なにかが首のまわりに』チママンダ・ンゴズィ アディーチェ (著)のイラストブックレビューです。人種、ジェンダー、家族にまつわる女性たちの苦悩や心のひだを描く12の短編集。
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激動の時代を駆け抜けた男の数奇な運命

『わたしは英国王に給仕した』ボフミル フラバル (著)のイラストブックレビューです。百万長者になることを夢見て、ホテル「黄金のプラハ」で給仕見習いとして働くチェコ人の若者。だんだんと出世しながら、高級ホテルを転々とし、戦時中はナチスの施設で給仕を務め、やがて念願の巨万の富を手にするのだが。