遠田 潤子

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『銀花の蔵』遠田 潤子 (著) 新潮文庫

1968年夏。小学四年生の銀花は父の実家である老舗の醤油蔵で暮らすことになった。何とか馴染もうと頑張る銀花だが、母の盗癖や蔵を切り盛りする祖母と父の不仲、そして父の年の離れた妹からぶつけられる言葉に思い悩む。やがて蔵を継ぐことを決意した銀花は祖母が隠してきた一族の過去を知る。
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どこか欠けた者たちで築かれた王国の行末は

和久井ベーカリーの二代目である和久井ミモザの父宛に届いた一通の手紙に導かれん大阪の廃墟ビルへやってきたミモザ。そこにいたのは、父よりも少し上の世代と思われる三人の男たち。かつてこのビルに住み、ここを「王国」と呼ぶ男たちはミモザの父と、自分たちの過去を語りはじめる。
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負の連鎖が生み出す 歪んだ痛みと償いの果てに

庭師である祖父とともに暮らし、自身も仕事を手伝う三十二歳の雅雪。ある事情から雅雪は、両親を事故で亡くした少年、遼平の面倒をみ続けている。そんな雅雪が隠してきた過去を知った良平は、雅雪に怒りと憎しみの目を向けるのだが…。
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絶望の淵で折れた羽を広げる蝶たち

『アンチェルの蝶』遠田 潤子 (著)のイラストブックレビューです。大阪で小さな居酒屋を経営する藤太のもとへ、かつての同級生、秋雄が少女・ほづみを連れて訪れた。ほづみを託された藤太は戸惑いながら少女と心を通わせていくのだが…。
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街の古くから因習が人々の運命を狂わせる

『冬雷』遠田 潤子(著)のイラストブックレビューです。12年前に行方不明となった弟の訃報を知った代助。旧家の跡継ぎとして引き取られ、やがて町をでることになった代助は、弟の死の真相を探り始める。