安部 公房

イラストブックレビュー

覆われた自我が新たな何者かに変貌を遂げる

頭からすっぽりとダンボールの箱をかぶり、都会の街を彷徨い歩く箱男。箱の中で全てを完結し、自分たらしめるものを放棄する。贋箱男との関係、看護婦への愛など、喜びと苦しみ、美しさと醜悪さを持つ人間たちの姿がいくつも交錯する。
イラストブックレビュー

肉体から精神の隅々にまで砂に侵食された男

『砂の女』安部 公房 (著) のイラストブックレビューです。休暇を利用して砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂に埋もれていく粗末な一軒家に閉じ込められてしまう。脱出しようと試みるが、砂に、部落の人間たちにも妨害されて…。