嶋津 輝

イラストブックレビュー

日常に潜む違和感をあたたかなものに変えていく物語

駐車場にやってくる地域猫に餌をあげていた布団屋の民子。入院するが、その間ふぐ料理屋のおかみが民子のかわりに猫へ餌をあげているらしい。やがて、夫が体調を崩し、猫の姿は見えなくなり…(「駐車場のねこ」)ほか日常の一コマから生じる違和感を描きだす、心あたたまる短編集。