こちらは女であることを
シニカルな目線で描く掌編集よ。
フェミズム的な?
女性に対する多くの認識などを
否定するというよりは
「うっとうしい」と感じているのね。
なるほどね。
あと掌編集って短いし読みやすいかも。
『女が死ぬ』 松田青子 (著) 中公文庫
あらすじ
「ねえねえ、そんなにいいの、ボンドって?」新人の潜めた声に、会場は一瞬静まりかえる。
そして目も眩むような美女たちがあれこれと感想を語りはじめる(「ボンド」)。
あなたの好きな少女は細くて、可憐で、はかなげだ。
間違っても、がははと笑ったりはしない。では、がははと笑う少女はどこに行けばいいのか(「あなたの好きな少女が嫌い」)など、女であることの窮屈さ、うっとうしさをシニカルな目線で描く五十三の掌編集。
女が死ぬ、女が結婚する、女が妊娠する、女が流産する、女がレイプされる。
それぞれ物語において持つ意味を説明していきます。
映画を観終わったカップルは、帰り道に血を流して死にそうになっている女を発見。
男が思わず「最後に言いたいことはないですか?」と声をかけると…(「女が死ぬ」)。
男性ライターが男性ならではの感性で提案した男性向けの新商品は、世間に驚きを持って迎えられた。
ライターは多くの雑誌で連載を持ち、新たな商品開発も行うが、自分たちが性的な目線で見られることにうんざりしていた(「男性ならではの感性」)。
まとめ
世間の女性に対する先入観を取り上げ、こねくり回したあげく「ダリぃ」と放り投げるようなおもしろさがあります。
男女の視点をひっくり返してみるとどうなるか、女たちはいかにいろんなものを押し付けられているのか。
ユーモアを含んだ、ちょっとシニカルな目線の描写がクセになる物語です。
<こんな人におすすめ>
女であることをちょっとシニカルな目線で描いた物語に興味がある
世間でいう「女らしさ」にうっとうしさを感じる
松田青子のファン
男女の視点を変えて描いた
「男性ならではの感性」が
めっちゃおもしろい!皮肉が
効いてる〜〜( ´艸`)
様々な作風を楽しめる掌編集ね。
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