こちらは女系家族の家長の
第二の人生で巻き起こる
波乱な出来事を描く物語よ。
ほお〜。女系の家族とな?
姉と妹がいて、自分には娘が3人。
今は三女夫婦と孫、次女と同居中。
カルチャーセンターの講師を務めていて
のんびりとした第二の人生を送る予定
だったのだけど。
娘たちもそれぞれ家庭を築いたり
独り立ちしているようだし
どんな問題が起こるっていうんだろう?
『女系の教科書』 藤田 宜永 (著) 講談社文庫
あらすじ
出版社役員を辞め、現在はカルチャーセンターで文芸講座の講師を務めている森川崇徳、62歳。
ゆったりとした時間を楽しむ、満たされたリタイア生活を送るはずが、講座の女性生徒にふり回され、母親の介護、さらに娘たちの行動や言動にも翻弄される。
崇徳はこの第二の人生の荒波を、無事に乗り越えることができるのか。
介護に浮気疑惑、独身娘の結婚相手…?
妻は他界し、現在は三女の朋香夫婦と孫の安香音、九州でアナウンサーをしていたが辞めて戻ってきた次女の小百合と暮らしています。
ある日、崇徳の家の付近に不審な動きをする男性が。
この男性、カルチャースクールに通う女性の夫であり、一方的に「妻に近づくな」と崇徳に食ってかかります。
生徒の女性にも話をして丸くおさめようとした崇徳ですが、聞く耳を持たず逆上した夫に殴られてしまいます。
後日、夫とその息子が詫びにやってきたのですが、どうやら息子が小百合を気に入った様子で…。
さらに施設にはいっている母親をめぐる姉や妹とのやりとり、子供を欲しがっている長女の夫など、次から次へと問題が起こります。
まとめ
女たちに囲まれ、優柔不断とも言われてしまう崇徳ですが、自分の考えに固執することなく柔軟な対応ができる、しなやかな思考の持ち主、とも言えます。
もとから持つ性質と、女系家族で暮らすことで鍛えられた崇徳の「優しさ」が人生の荒波を乗り越えるための大きな武器となるのです。
<こんな人におすすめ>
定年後に待ち受けるトラブルを描いた物語に興味がある
女系家族の中の家長を描いた話を読んでみたい
藤田 宜永のファン
うわ〜 こりゃ大変そうだ!
崇徳さん、さすが達観しとる!
しなやかな崇徳さんと
まっすぐで頑固な生徒の旦那さんとの
やりとりが対照的でおもしろいわね。
どことなく懐かしさを感じるような
ハートフルな家族小説よ。
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