こちらは法医学解剖技官の女性が
准教授とともに死体の謎に迫る
ミステリーよ。
解剖技官ていう仕事があるのか?
知らなかったなあ。解剖することで
すぐに死因が特定できたりするものなのか?
解剖だけでは解明できず、
細胞レベルで調べたりも。
また被害者や関係者の状況から
推理を働かせたりもするの。
細胞レベル!!
そこまで調べるとはすごい世界だ。
さて、どんな死体が運ばれてくるのかな?
『誰そ彼の殺人 』小松亜由美 (著) 幻冬舎文庫
あらすじ
仙台にある杜宮大学・法医学教室。
法医学解剖技官の梨木楓は、准教授の今宮貴継とともに、宮城県内で発見される異常死体(変死体)を解剖し、死因を解明する。
彼らのもとにやってくるのは顔面が破壊され、さらに手足が切断された死体や、ひき逃げされ放置された女子高生など。
死体の細胞までも調べ上げ、犯人さえも気づかなかった真実に、二人は近づいていく。
司法解剖のようすがつぶさにわかる
皮膚を切り、骨を断ち、内臓を全て取り出し、状態を確認した後、また全てを体内に戻して縫合。
死体の解剖の手順を細やかに描き、死体であるが故の判断の難しさ、教科書通りの考えではたどりつけないような、死体の体の状態や死因を見つけていくのは、若く優秀で口の悪い准教授の今宮です。
ミステリ好きが高じて解剖技官となった楓が推理を働かせようとするのをからかいつつ、死体の状態から見事に殺害状況と死因を特定するのです。
今宮の同級生で、人当たりが良くてオシャレな小倉警部とのやりとりもテンポよく、物語にメリハリを与えつつ進行していきます。
まとめ
その解剖描写の生々しさに最初は驚きますが、その死体を詳細に探ることで事件が解決していくのを見ると「もっと詳しく切ってみて!」と思ってしまいます。
日本の司法解剖の精度の高さと、さらに犯罪者の状況と心理に結びつける凄さに感嘆するミステリーです。
<こんな人におすすめ>
司法解剖から事件解決の糸口を見つけ出すミステリを読んでみたい
死体からどのようなことがわかるのかに興味がある
解剖技官という仕事がどんなものか知りたい
すすすすごいな。
解剖って、ここまでやるのか(・・;)
しかし、解剖しても不明な死因を
見つけ出す今宮の頭脳はすごいな。
生々しい解剖の描写にも
驚くけれど、キャラクターたちの
テンポの良いやりとりが物語を
重くさせすぎず、良いバランスを保っていて
興味深く読み進めることができるわね。
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