こちらは記憶喪失になった女性が
自分の夫や家族たちとの関係に
違和感を感じる物語よ。
記憶喪失!そりゃ大変だ。
頼れるはずの夫や家族に
違和感を感じるってどういうこと?
夫を愛していないと感じているの。
夫の家族とも同居しているのだけど
ギクシャクしているわ。それに夫以外にも
心を寄せていた男性が存在するようなの。
なになになに!?
なんだか不穏な空気が漂うな。
いったい誰を愛していたんだ?
『わたしの本の空白は』近藤 史恵 (著)ハルキ文庫
あらすじ
夫の母親と義姉と同居している三笠南は、病院のベッドで目覚めた。
しかし、自分についての記憶も、これまでの生活も何ひとつ覚えていない。
夫だという男性、シンヤが来ても、嬉しい気持ちどころか違和感すら覚える。
もとの生活に戻れば思い出していくだろうと考えていた南とシンヤ。
しかし、夫・シンヤや家族との生活に違和感はつのるばかりで…。
記憶を失くした南が夫に感じる違和感
階段から落ち頭を打って気を失った南は、目覚めると記憶を失くしていました。
夫であるシンヤは驚きつつも、南に状況を説明。
身体に異常はないので退院することに。
軽度の認知症を持つ義母、塾の先生をしている義姉のいる家に帰っても、南の記憶を揺さぶるものはありません。
妹に電話をかけると、「ああ、私の家族だ」とあたたかい気持ちになり、間違いなくこの子は私の妹だ、と感じるのですが。
そしてある日、南は自室で一枚の写真を見つけます。
見知らぬその男性に自分は心を寄せていたようです。
夫とは全く異なる胸の高鳴りに戸惑い、そしてこの男性は何ものなのかを知りたいと願う南ですが…。
まとめ
冷たい態度を見せる義姉、束縛気味な夫、夫の家族が好きではない、という妹。
記憶を失くした南に対し、情報を伝えるべきか、しないべきかをそれぞれが逡巡しています。
そして南が記憶を取り戻したとき、その愛と事実に殴られたような衝撃を受けます。
自分の愛の記憶を探す、緊迫感に満ちた恋愛サスペンスです。
<こんな人におすすめ>
記憶喪失になり、夫以外の人を愛していたことに気づく女性の話に興味がある
失った記憶に不穏な空気が漂うサスペンスを読みたい
近藤 史恵のファン
そ、そうだったのかーっ!!!
いろんなことが腑に落ちるラストだ( ゚д゚))
自分自身の「愛の記憶」に迫る
手に汗握るサスペンスね。
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