こちらはある会社の社長が
ニュースに流れた女性拉致事件を
きっかけに過去に犯した罪の
意識に苦しむ物語よ。
社長が過去に起こした罪と
女性拉致事件はどんな関係が
あるんだ?
興信所で働いていた時
事件と同じ手口で娘を失った老人が
犯人を探し出してほしい、という
依頼を受けたのだけど…。
えっ!当時のその犯人を
見つけ出せたのか?
そして社長が犯した罪って
いったい…(゚o゚;;
『黒鳥の湖』 宇佐美まこと(著) 祥伝社文庫
あらすじ
不動産業や貸しビル事業、カラオケ店にネットカフェなど幅広く事業を手がける上場企業『ザイゼン』。
会社を興した社長の財前彰太は、妻の由布子、娘の美華と幸せに暮らしていた。
しかし、ニュースで流れた女性拉致事件の内容に強い不安を覚える。
その手法はかつて自分が耳にしたと同時に、由布子と結婚するために犯した、ある罪を思い出させるものだった。
過去の罪が現在の状況を呼んだのか
伯父が亡くなった後その遺産を継ぎ、『ザイゼン』を興した彰太は、優秀なスタッフに恵まれ事業も利益も大きく成長してきました。
仕事も家庭も順調にまわっていたある日、ふとニュースを耳にした彰太。
若い女性を狙った拉致事件で、被害者が身につけていたものが、被害者家族のもとへ送られてくる、というものでした。
それは十八年前、彰太が興信所で働いていた頃に、ある依頼者から聞いた話と酷似していたのです。
当時、由布子との結婚を反対されていた彰太は、彼女と結婚するためこの依頼を利用したのです。
結果、犯人を逃す手伝いをしてしまったのか…。
不安を抱える彰太に、娘の美華の様子がおかしくなり、行方不明になったとの知らせが入ります。
まとめ
罪の上に築いた城は、あえなく崩れていくものなのでしょうか。
強い不安を和尚の説法や、包み込むような愛で接する和尚の母の力で拭いとってもらおうとする彰太と由布子。
しかし、自分たちが進むべき道は自分たちで選ぶしかないのです。
もろく見える砂の城も、自分自身の気持ち次第で石の城にもなる。
そんな風に感じるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
ある社長が過去に犯した罪を描くミステリーを読んでみたい
人間の悪意が交錯した物語に興味がある
宇佐美まことのファン
こっちかよ!!
犯人もびっくりするけど彰太だけでなく
みんなの苦しみが伝わってくるな。
あいつらの悪人ぶりには反吐が出るぜヽ(`Д´メ)ノ
あまりの悪意に震えが
来るけれど、乗り越える
ためのかすかな光も感じさせて
くれる物語ね。
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