こちらはある脚本家の女性が
会ったことのない叔母の扶養義務に
ついての手紙を受け取ってから
人生が傾いていく物語よ。
お、イヤミスの女王、真梨 幸子作品だな。
会ったことのない叔母の扶養義務って
どういうことだ?
脚本家の母親は、実家と縁を
切っていたのだけど三姉妹の
長女だったの。その関係で手紙が
いったわけなのだけど…
ん?何やら複雑な事情が隠れて
いそうだな。そこからどんな展開が
待ち受けているのか。楽しみだぜ!
『三匹の子豚』真梨 幸子 (著) 講談社文庫
あらすじ
ネット配信ドラマ用に手がけた作品がアメリカのエンタメ界最高峰の賞にノミネートされたことで、再び仕事が舞い込んできた脚本家の斉川亜樹。
引き受けた朝ドラの脚本『三匹の子豚』は大ヒット。
デビュー時以来の脚光を浴びる亜樹に一通の封書が届く。
会ったこともない叔母の扶養義務について書かれたその文書を受け取ってから亜樹の人生は次第に傾いていく。
会ったことのない叔母と従妹の存在を知る亜樹
母をモデルに書いたドラマ『三匹の子豚』が大ヒットした亜樹。
一時期干された状態となっていましたが、再び脚光を浴びます。
そんな中、叔母の扶養義務を確認する書面が届きます。
亜樹の叔母と従妹について話がある、と連絡してきたNPO法人の菊村という女性の口から出たのは、叔母である赤松三代子は亡くなっている、という知らせでした。
言葉による暴力を三代子から受けていたという娘の波留は現在勾留中。
彼女たちの住んでいた家の管理を頼まれ、ひとまず家へと向かった亜樹と菊村。
さらに身元引受人を頼まれた亜樹は…。
まとめ
昭和最悪の大量殺人事件の犯人とされた女性を母に持つ三姉妹。
三匹の子豚の話を聞いて育った彼女たちはより堅固な「家」を作るために必死になりますが、それぞれの人生はさらにその子供たちへと負の連鎖として引き継がれていきます。
結婚を成功とする者、仕事を成功とする者、家族をコントロールする者。
歪んだパワーを持つ人間が何人も登場しますが、それぞれが起こす嵐には中心となるものが存在するのです。
すべての人間関係が明らかになったとき、その構成と見せ方の巧妙さに思わず唸る衝撃のイヤミスです。
<こんな人におすすめ>
童話『三匹の子豚』をモチーフにした三姉妹の物語に興味がある
過去に起きた大量殺人事件が現在に影響を及ぼす話を読んでみたい
真梨 幸子のファン
うわあ…(ll゚Д゚)怖ァ・・
根深すぎるでしょ これ…
負の連鎖が網の目のように
絡み合う、衝撃の結末に
言葉を失ってしまうイヤミスね。
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