こちらは引きこもりの中学生が
日常の謎を解く青春ミステリー、
『探偵は教室にいない』の続編よ。
ほうほう。頭の切れる歩が謎を
解いていくミステリーだよな。
今回はどんな謎が登場するんだ?
洋菓子店での暗号クイズや
美術室での奇妙な出来事などね。
新たなキャラクターも登場して
歩と真史の関係にも変化があるのよ。
おっ それは興味深い。
幼馴染である二人の関係が
どんな風に変わっていくんだろう?
『探偵は友人ではない』川澄 浩平 (著)創元推理文庫
あらすじ
長身を活かしてバスケ部で活躍する海砂真史は、札幌の初寒にある中学に通っている。
幼馴染である鳥飼歩は学校に行っていないが明晰な頭脳を持ち、真史が遭遇した謎を、好物のスイーツを条件に見事解決。
しかし、真史は謎がなければ歩と連絡を取るのはおかしいことなのだろうか?と考えはじめる。
冬休み中の連絡のやりとりをきっかけに、依頼人と探偵という二人の関係に変化が…。
探偵と依頼者の立場が逆転!?
スポーツ店で偶然会ったバスケ部の鹿取先輩が、塾で飛び級してきた歩と友達だったという話を聞き驚く真史。
その当時、塾で教えていた水野梨花先生が女優をしていて、彼女の出演する芝居に招かれた先輩、そして歩も見に行ったのだとか。
その日の芝居を歩は気に入らなかった様子で先生を非難。
それ以来先輩は歩と連絡を取らなくなってしまい…。
ケーキを持参し、鹿取先輩と会ったこと、そして先輩から聞いた水野先生の芝居の話を歩に伝えます。
一人芝居をしていた彼女が、小道具を使って行おうとしていたこととは。
また、冬休みに五泊六日で仙台の祖父母の家に帰省することになった真史。
歩にお土産を、と思いついた真史ですが、彼はもらっても嬉しいのか?と考えます。
友人の姉から聞いたちょっとした謎をメッセージで送り、彼が興味を持ち顔を合わせる機会があればお土産を渡そうと決めますが、返信は来ません。
仙台に来て四日目の深夜、歩から着信。
なんと彼はサンフランシスコにいるのだと言います。
謎について詳しく聞きたいから、と互いが帰着する日に新千歳空港で待ち合わせをし、お土産を交換。
歩が自分にお土産を用意してくれたことに嬉しさを感じながらも、ある違和感を抱いた真史。
メッセージを送り歩の家を訪れた真史は、彼からの土産を「普通に渡して欲しかった」と…。
まとめ
依頼者と探偵、といういつもの役割から、ちょっぴり変化球が投げられた最終話では、歩の行動・言動の謎を真史が解く、という形。
一方的だった関係に双方向の流れが生まれ、これからさらなる変化を予感させます。
若者ゆえの熱さや単純さ、そして少しずつ様々な思いに出会い彼らが成長していく姿がまぶしく映る、青春ミステリ第二弾。
<こんな人におすすめ>
引きこもりの中学生探偵と活発なバスケ部員の謎解きと青春を描いたミステリーを読んでみたい
前作『探偵は教室にいない』を読んだ
川澄 浩平のファン
おお!まさかの探偵役が逆転!!
そしてちょっぴり淡い予感が…?
青春だなあ〜(*´∀`*)
歩が完全無欠ではないというところも
二人が対等であるというバランスに
一役買っている気がするわね。
これからの二人がどうなっていくのか
ますます目が離せないわ。
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