こちらは世界的栄養学者が
食欲の謎について研究した
結果をまとめた一冊よ。
食欲の謎?
そうなの。もともと昆虫学者であった
著者二人が、「動物は最適かという基準で
食べるのか」「ある条件下で最適を得られない
場合どうなるのか」という疑問をバッタの食餌で
調べていたところ驚くべき事実が判明したの。
へえ〜。いったいどんな事実なんだ?
栄養学者でもあるわけだから
栄養素が関係しているのか?
気になるぜ!
『食欲人』
デイヴィッド・ローベンハイマー (著), スティーヴン・J・シンプソン (著), 櫻井祐子 (翻訳) サンマーク出版
概要
自然界の動物たちは、自分たちの生命維持活動に適した分の栄養素を取り入れることができる。
しかし、人間だけが肥満やそこから付随する病に悩まされている。
止めることのできない「食欲」とはいったい何なのか。
シドニー大学の世界的栄養学者2名が人類の食欲の謎に迫る。
昆虫の実験から栄養素の驚くべき事実が判明
もともと昆虫学者であったスティーヴとデイヴィットは、「動物は自分にとって何が最適かという基準で食べ物を決めているのか」「最適の食餌を摂れず、別の食餌を摂るときはどうなるのか」という2つのテーマについて研究を開始。
バッタに高タンパク低炭水化物(人間でいえば肉に相当)から高炭水化物低炭水化物(米に相当)まで、この2種の栄養素の比率を変えた25種の食餌を用意し、それぞれのバッタに1種類だけを脱皮して成虫になるまで食べさせます。
その結果をグラフ化すると驚くべき結果が。
バッタには成長と生存を最も促進した「摂取ターゲット」という摂取バランスの領域があり、このエリアから外れた場合はその適正タンパク質量を得るために多くの炭水化物を摂取していたのです。
逆にタンパク質量が多い場合は炭水化物の摂取が減少。
これらの結果はバッタの寿命や生殖活動にも影響を及ぼすものでした。
この実験結果に基づき、食欲とは、適食本能、タンパク質の働き、栄養と寿命の関係、現代の食環境、肥満や食の正しい知識など様々な面から食と栄養について解説します。
まとめ
強い味と柔らかい歯ごたえ、不足したタンパク質の加工品を摂ることで炭水化物を多く摂取してしまうという現代の食事情。
これまでにない便利で栄養不足な状況を少しでも改善させるためには、自身の適正タンパク質摂取量を知り、加工しすぎない形で取り入れること。
現代人の食事に必携のバイブルと言える一冊です。
<こんな人におすすめ>
食欲の正体とは何なのかが気になる
食欲をコントロールする方法を知りたい
健康と栄養の関係を最新のエビデンスに基づいて解説された本を読みたい
えっ そうなの!?
タンパク質の採り方って
めちゃ大切なんだな!!
巻末には栄養成分の平均値を
表示した食品一覧も掲載されて
いるの。参照しながら自分の
適正なタンパク質量を摂取することで
食べ過ぎを防ぎ、健康な体を保つことが
できるのよね。
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