こちらは『スマホを落とした
だけなのに』シリーズの第四弾よ。
この作品では連続殺人鬼がどのように
誕生したかが描かれているの。
おお〜 確か美しい黒髪の
女性ばかりを狙う殺人鬼だよな。
確かにどうしてそんなことを
するに至ったのかは気になるところだな。
少年時代の様子から
スマホを使って殺人を繰り返す
そのパーソナリティが明らかになるわ。
少年時代から!
そんなに前から始まっているのか。
いったい何があったんだろう。
『スマホを落としただけなのに 連続殺人鬼の誕生』
志駕 晃 (著) 宝島社文庫
あらすじ
小学三年生の翔太が朝目を覚ますと、天井からぶら下がる母の姿を発見。
児童養護施設へと入ることになった翔太はヨシハルという少年と出会う。
仲良くなりいっしょに虫を殺して喜んでいたが、その行為は次第にエスカレートし、ついにヨシハルが実行する殺人に翔太は協力することに。
スマホを駆使して暴行や殺人を繰り返してきた殺人鬼はどのような少年時代を過ごし、どの瞬間に「怪人」としての人生を歩み始めたのか。
その後の人生を決定づける運命的な出会いとは
母が首を吊り自殺。
他に身寄りのない翔太は児童養護施設へ送られました。
力の強い上級生に殴られもしましたが、食事の心配がなくおこづかいまでもらえる生活には驚きを感じました。
なかでも時間限定で使えるパソコンはゲームやネットなどで楽しく過ごすことができました。
長い黒髪の百合子先生から「夜中にパソコンを使うのはやめてね」と使ってもいないのに言われます。
中学生になったある日、ヨシハルという名の少年と知り合います。
いろいろな話をし、いっしょに虫や動物を殺す二人。
そして人を殺したい、というヨシハルに「いっそ僕を殺してくれないかな」と翔太は答え…。
まとめ
母親が自分を虐待した挙句、自殺。
苦しい状況に置かれ続けていた翔太にとって、ヨシハルは救いとなる存在でした。
中学生の時の運命の出会いからずっと共に生きてきた二人。
大人になって詐欺や暴行、殺人を犯す際にも互いの協力なしでは成り立たないのです。
犯罪の影すら匂わせない狡猾な手口と大胆な実行力。
彼が生きてきた環境とパーソナリティを見れば「なるほど」と腑に落ちると同時に、その闇の深さに背筋が冷たくなります。
過去と現在の殺人事件の進み方、パーソナリティの開示などその展開も見事な「スマホを落としただけなのに」シリーズ第四弾です。
<こんな人におすすめ>
スマホを駆使した連続殺人鬼が誕生した経緯を描いたサスペンスミステリーに今興味がある
『スマホを落としただけなのに』シリーズのファン
志駕 晃のファン
えっっ この二人って!!
そういうことだったのΣ( °ω° )!?
めちゃ腑に落ちる〜!!
過去と事件の流れ、そして殺人犯の
パーソナリティの開示。展開も
見事なミステリー作品ね。
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