こちらは日本の子供たちの
学力低下の原因を社会的背景を
踏まえて分析する一冊よ。
ほうほう。社会的背景かあ。
ゆとり教育が問題なんでは?
とか良く言われているようだが。
実際の教育現場というよりは
ある期間から定着された一つの
「価値観」にあるようなの。
そこから格差や学びの本質まで
を解説していくわ。
なんだが根が深そうだなあ。
子供の未来は日本の未来。
そんな子供たちに何が
起こっているのか気になるぜ。
『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』
内田 樹 (著) 講談社文庫
概要
日本の子どもたちの勉強時間の減少、学力の低下が問題となって久しい。
こうした問題を招いた原因は何なのか。
「自己決定論」における解釈の誤り、「格差」の正体、そして「学ぶ」ことの意味とは。
子どもたちの教育から現代につながっていく問題を解き明かす驚愕の教育論。
学力の低下を招いた原因とは
かつて日本の子どもたちは世界のどの国よりも勉強に意欲的でしたが、現代の日本の子どもたちは世界のどの国よりも勉強を嫌悪しています。
学級崩壊、学力の低下、高等教育の空洞化といったことが問題となっているのです。
学習習慣が身につかなくても子どもたちの五十パーセントは大学に行く。
分数の割り算ができない学生が大学の理科系に入ってきたと話題になりましたが、漢字が読めない、四則演算ができない、アルファベットが読めない学生が登場しつつあります。
子どもたちは疑問点があっても「気にしない」特性があり、わからないままでもストレスを感じることがありません。
また自分の行為と教師の行為に対し、まっとうな「等価交換」をしたいと考えているのだと著者は解説しています。
教師の教えに対し、「先生、それは何の役に立つのですか?」とたずね、その答えに満足がいかなければ学びを放棄してしまいます。
しかし、学びは現時点での有益性を発揮する性質のものではなく学びや思考の継続、様々な体験や経験によりその意味を理解するものでもあるのです。
こうした早々に学びに背を向けてしまう子どもたちの心理の背景には「自己決定論」の解釈の誤りにあったのです。
まとめ
日本の子どもたちの教育は昔とずいぶん違っているようだ。
こんな漠然とした不安を、原因となった根本的な論理解釈誤りから社会の風潮、そして実際に学生と対峙した経験を交えて解説。
「学ぶ」ことを放棄した子どもと社会に何が起きるのか。
背筋が寒くなるとともに、大人が同時に向き合わなければならないと考えさせられる一冊です。
<こんな人におすすめ>
日本の子供たちの学力低下が気になる
今の若者たちの仕事や働くことへの価値観を知りたい
格差がどのように起こるのか興味がある
ひえええええ
学ぶことを放棄した子供たちに
待ち受ける未来、すなわち日本の
未来が恐ろしい(ll゚Д゚)・・
大人たちはいろんな形で
子供たちに「学ぶ」ことを
教えて行く必要があるわよね。
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