イラストブックレビュー

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『占』木内 昇 (著)

咲山町の一軒家に、翻訳の仕事をしながら独りで暮らしていた桐子は、家の修繕に来た大工の伊助と深い仲になる。伊助は生き別れとなった義妹がおり、何よりも大切なのだと言います。それでは自分の存在は何なのかと怒り、悩む桐子は時追町の占い館で伊助の気持ちを見てもらうのだが…(「時追町の卜い家」)。「占い」から欲しいものを求め、振り回され、混乱しながらも、自分なりの真実を求めて力強く生きていく女性たちの姿を描いた短編集。
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『ドミノin上海』恩田 陸 (著)

上海の中でも多くの観光客が集まる中国式庭園、豫園の東にある骨董品店に「『蝙蝠』が上海に入った」と連絡が来る。窃盗されたこのお宝を手に入れるべく、店主の衛春は店を出る。しかし、その品は予定されたものと異なった方法で、何故か人気のホテル、青龍飯店の厨房へ…。ホテルのお客やスタッフ、そこへ動物園からの脱走をはかる猛獣までもが入り乱れ、お宝はこちらからあちらへと移動していく。
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『銀色の国』逸木 裕 (著)

NPO法人「レーテ」で自殺志願者のセーフティネットとしての活動を行なっている田宮晃佑のもとに友人の悲報が届く。亡くなる前、VRにのめり込み飛び降り自殺したのだという。VRが自殺に関係しているのでは、と考えた晃佑は元ゲームクリエイターである友人の城間宙とともに調査を開始。仮想現実の世界で人を死へと誘導することは可能なのか。そして晃佑たちは彼らの死を止めることができるのか。
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『お探し物は図書室まで』青山 美智子 (著)

小学校の隣にある、二階建の白い建物「羽鳥コミュニティハウス」。いろいろな講座や催しが行われるこのコミュニティハウスの中には図書室がある。スタッフは若い女の子、森永のぞみと大柄で色白な女性の司書、小町さゆり。様々な悩みや問題を抱えた彼らに適した本のセレクトと、ちょっとした「付録」を司書が提供。おすすめの本と「付録」を手にした彼らが見つけたものとは。
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『雪月花』北村 薫 (著)

本の世界には、実に様々な驚きと発見がある。ホームズの相棒、ワトソンの、知られざるミドルネーム。誰もが知っていた句の本当の作者。出会った人から、はたまた自分の頭の奥に眠っていた記憶から、言葉や文章はつながり、広がりを見せ、やがて目の前に見事な着地を見せたりする。
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『丸の内魔法少女ミラクリーナ』村田 沙耶香 (著)

茅ヶ崎リナは魔法のコンパクトで変身する魔法少女ミラクリーナをはじめてから27年になる36歳の会社員。仕事のストレスや日々の鬱憤を晴らすために役立っていたのだが、モラハラ男に苦しめられている親友を救うため、その男と魔法少女ごっこをすることになってしまい…。表題作「丸の内魔法少女ミラクリーナ」ほか、常識という壁をやすやすとぶち破る4編をおさめた衝撃の短編集。
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『蝉かえる』櫻田智也 (著)

昆虫好きの青年、魞沢泉(えりさわせん)は旅先で様々な謎に出会う。山形盆地で出会った青年が十六年前に見た幽霊、知人のペンションに宿泊していた客が転落死した理由、アフリカから帰国した友人が持ち帰ったもの…。飄々としいた佇まいでその場の空気にするりと馴染む彼が、旅先で遭遇した謎と意外な真相を描く5編を収めたミステリー。
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『猫君』畠中 恵 (著)

明るい茶虎、金眼銀眼の雄猫・みかんはこの世に生まれてもうすぐ二十年で『猫又』になりかかっている。そこで新米猫又たちが集まり教育を受ける場所、江戸城内の「猫宿」へと向かう。追いかけられたり、探しものをしたり、戦いを仕掛けられたりと新米猫又たちにい訪れる数々の難題を、みかんを仲間たちと協力しながら挑んでいく。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー『悪意』増田忠則 (著)

行政書士である斉木のもとにかかってきた一本の電話。「娘さんを預かりました」そう言って指定の場所に来るようにと指示した犯人。金でもなく、個人的な恨みでもない、と話す犯人の目的とは何なのか。斉木が指定の場所に着くと、誘拐犯はビルの屋上に。悪意の連鎖が日常を崩壊させていく恐怖を描く4編を収めた短編集。
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『口福のレシピ』原田 ひ香 (著)

料理学校「品川料理学園」の後継者として生まれ育った留希子は、家業を継ぐことを拒否。友人の風花と暮らしながらSNSで料理を発信。いくつかのレシピがバズり、料理関係の仕事も入るように。さかのぼって昭和二年の品川料理教習所では、女中方向のしずえが声量野菜のセロリーを前に、どう調理したものかと頭を悩ませていた。令和と昭和、料理を考え、作り続ける女性たちを描く料理小説。