縁談を通して改めて感じる姉妹の絆

『妹の縁談 小間もの丸藤看板姉妹(二)』 宮本紀子 (著) ハルキ文庫

日本橋伊勢町の大店、小間物商「丸藤」の総領娘・里久は店の手伝いに励む元気いっぱいの十七歳。藪入りでも里帰りはしないという小僧の長吉とともに参拝へ出向き、屋台の天ぷらを食べることにしたのだが…。一方、里久の妹であり丸藤の看板娘でもある桃の元に縁談の話が舞い込んできて…。

里久の周囲は今日も大騒ぎ そして降って湧いた妹の縁談話

里久は天ぷらを食べすぎ、何と翌日には吹き出物が!!江戸時代にもこんな事あったのねと親近感。母親が江戸へ出る事を反対していたために里帰りを拒んでいた長吉。主人の許しを得て、丸藤の品を持ち、里帰りをします。

無骨な母の愛に涙がこぼれます。そして桃の縁談。慕う相手がいながらも、その思いが報われないことから、縁談を受けようと決意する桃でしたが…。

まとめ

丸藤の娘としての矜持、慕う相手への思い、姉への憧れや嫉妬など、桃の揺れ動く複雑な思いが手に取るように伝わってきます。今までにない強さを見せた桃と、彼女を囲む人たちのあたたかさと優しさに胸が熱くなる物語です。

<こんな人におすすめ>

姉妹の絆と、切ない恋心を描いた江戸の物語を読んでみたい
大店の看板娘の店への思いが綴られた感動の物語に興味がある
宮本紀子のファン

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