のこ
こちらは祖母が住んでいた家で
貸本屋を営む女性のお話よ。
ぬこ
「貸本屋」?そんな店があるのか〜。
のこ
時間旅行の本ばかりを集めた貸本屋なの。
その場所で居眠りした人は、未来の自分を
暗示する夢を見るのだそうよ。
ぬこ
へえ〜。時間旅行の貸本屋で
時間旅行しちゃうのか!?
おもしろそうだな。
『タイム屋文庫』 朝倉かすみ (著) 潮文庫
あらすじ
31歳で会社をやめた柊子は、亡くなった祖母が住んでいた家で、時間旅行の本ばかりを扱う貸本屋「タイム屋文庫」を開いた。
近所のレストランの店長にコーヒーの淹れ方を習い、おばあちゃんちにやってきたようなくつろげる空間で居眠りをした者は、未来の自分を暗示する夢を見るという。
初恋の人との思い出である、大量の時間旅行の本を前に、貸本屋をはじめよう、と思い立つ柊子。
思い立ったら即行動、の柊子を心配して、あれこれ世話を焼いてくれるレストランの店長、樋渡徹。女の一人暮らしには、黒い猫や家出少女など様々なものが出入りする。
まとめ
祖母を思い出す時、初恋の人を思う時。大事な人やものを思うとき、時間がやさしく身体を覆い、通り過ぎていく。
そんな風に感じる、やさしくてあたたかな物語です。
<こんな人におすすめ>
美しく味わいのある文章が好き
すこし切なくて、次第に心がほぐれていくような話を読みたい
朝倉かすみのファン
リンク
ぬこ
時間の流れっていいよなあ。
なんだかつつみこんでくれるみたいだ。
のこ
そんな風に時間を感じられたら
時が経つのも悪くないわよね。
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