のこ
こちらはあるラブホテルでの
出来事を時系列ごとに描く
連作短編集よ。
ぬこ
男女のあれこれが
詰まっているんだな。
のこ
最初は廃墟となったホテルを舞台に。
そこからそのホテルでの出来事を
遡っていく、という展開よ。
ぬこ
なるほどねえ。
最後は廃墟と化したのか。
そんなホテルも栄えた時期が
あったんだろうなあ。
『ホテルローヤル』 桜木 紫乃 (著) 集英社文庫
あらすじ
北国の湿原を背にするラブホテル、「ホテルローヤル」。
「非日常」を求める男女が訪れ、何かを得、また失い帰っていく。
恋人からヌード撮影のモデルを頼まれた事務員の女性、寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻、アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。
彼らがホテルの部屋で得た一瞬の煌めきとは。
まとめ
舞台は北国にあるラブホテル。
廃墟となった現在から、経営が傾いていた頃、順調だった頃、建設した頃…と話ごとに過去へとさかのぼっていきます。
その時々でホテルへ訪れる男女たちは、どこかあきらめや寂しさを抱えています。
その一方で、ただ愚直に進むだけ、と覚悟を決めているような強さも感じられます。
年齢も立場も異なる男女がラブホテルで得る一瞬の煌めき。
それは相手との関わりの中で、自分自身の芯に気づき、触れるということなのかもしれません。
<こんな人におすすめ>
ラブホテルを舞台にした物語に興味がある
ホテルと人間の盛衰を描いたような話を読んでみたい
桜木 紫乃のファン
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波瑠さん主演で映画化もされましたね。
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ぬこ
ホテルの歴史は、いろんな人の
人生の歴史が詰まっているんだな。
のこ
ホテルは濃厚な人生の一部分を
映し出す場所になっているのね。
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