こちらは有名人を親に持つルークと
弁護士のオリヴァーが期間限定で
恋人同士を演じるお話よ。
二人はゲイであることは公表して
いるわけだな。しかしなんだって
期間限定で恋人同士に?
ルークが酔って醜態を晒したことで
仕事に影響が出てしまうの。周囲からの
印象を良くするために、真面目できちんとした
仕事をしている人と付き合うことにしたのよ。
なるほどね。二人の相性は
どうなんだろう?期間限定とはいえ
気が合わないと大変だろうなあ。
『ボーイフレンド演じます』
アレクシス・ホール (著)金井 真弓 (翻訳)二見文庫
あらすじ
ロックスターを両親に持つルークは、常にパパラッチに追いかけられ、酔った醜態を何度も人々の前にさらしてきた。
そして勤務先の慈善団体への寄付すらも受けられなくなる危機に瀕し、上司からまともなボーイフレンドを見つけ、生活態度を改めるよう通告される。
事情を聞いた友人が紹介してくれたのは真面目な弁護士のオリヴァー。
彼もある事情から恋人を探していたこともあり、二人は期間限定で恋人同士を演じることに。
違いすぎる二人は恋人同士を演じられるのか
事あるごとにパパラッチされ、ネットであれこれと吊し上げられてきたルークは、特定の恋人を持たず、遊びまわる生活。
一方、弁護士のオリヴァーは四角四面に物事を考え、融通の効かない部分もあります。
生活環境も仕事も、友人や家族も全く異なる水と油のような二人。
最初はその価値観が合わないあまりに衝突を繰り返しますが、少しずつ互いを理解し、認め合いながらその距離を縮めていきます。
いつしか、互いが本当に必要である、と認め合ったとき、またしても二人に試練が…。
まとめ
ゲイに理解のあるお国柄とはいえ、彼らにもいろいろと苦労があることがわかります。
信頼していた人間の裏切りにより酷く傷つき、人づき合いに怯えていたルークが、口は悪いけれどとことん誠実なオリヴァーによってその頑なな心がやわらかくほどけていく様子にじんわりとします。
皮肉まじりのブリティッシュユーモアを散りばめた、最高のロマンティック・コメディです。
<こんな人におすすめ>
芸能人を親に持つ男性と弁護士の恋愛物語に興味がある
心に深い傷を負った者同士が理解し合い距離を縮めていく物語を読んでみたい
イギリスのゲイの恋愛事情を描いた話を読んでみたい
いやあ 二人とも心に
大きな傷を抱えていたからこそ
その痛みを理解できるんだろうな。
取り付く島もないような嫌味の
応酬が、自分を守る鎧だったのかも
しれないわね。その鎧を取った二人の
距離はより近づいていくのよね。
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